第50話 決め台詞は【アポ!】
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言って20代前半の若者はついていけない気がするのだが。
「お父さん!」
このままだと埒が開きそうにないと判断したなのはは急ぎ銀時の元へと近づき超えを挙げた。その声を聞き、銀時は声のした方を向き、なのはが居る事にようやく気付いたかの様な顔を浮かべてきた。
「あれ? お前なんでこんなとこに居んの?」
「そんな事よりもお父さん、アポって言ったらあれしかないじゃない!」
「あぁ、あれねぇ。流石は俺の娘だ。中々頭が切れるじゃねぇか」
なのはの言い分に銀時は手を叩いて見せた。それを見て受付嬢達はほっとする。どうやら隣の小さなお嬢さんはアポが何なのか分かっているらしい。これでようやく話が進む。
そう思い再度アポがあるのか聞こうとした時、二人は揃ってこちらを向いていた。
いや、それだけじゃない!
二人の手にはそれぞれ紅く実っている果実がもたれている。
「アポって言ったらこれでしょう」
「そうそう、青森アッポォウ!」
「………」
流石の受付嬢もこれには唖然としてしまった。この親あればこの子あり。とはこの事なのだろう。
片やプロレスラーの口癖をアポと言い、方や青森産の果実をアポと罵る。これではハッキリ言って話が全く進みそうにない。
そんな光景を目の当たりにした受付嬢は静かにだが、とても深い溜息を吐き出してしまった。
***
新八達が浪人達の後をつけるようにして訪れた場所は分厚い鉄製の扉が備え付けられていた場所であった。扉の丁度頭位の位置には縦溝状に鉄格子が取り付けられており、それのお陰で中の情報がある程度見て取れる事が出来た。
其処にあったのは、大きな柱にロープで括り付けられた女性が居り、その女性を老人がいたぶっている。更にその周囲を数人の浪人達が陣取って守りを強固にしている。
下手に中に入れば自分達も女性と同じ末路を辿る羽目になってしまうだろう。だが、何とかして女性を助けなければならない。彼女こそが銀時が匿っている赤子の母親なのだから。
「なんとかしてあの人を助けないといけないけど……どうしよう」
「おいおい、此処に居たら俺等まで巻き込まれちまうぜ。さっさと離れた方が良さそうだろうよぉ」
扉の奥から見える光景にすっかりビビリが入ってしまった長谷川が新八と神楽の二人を引っ張って早々に引き上げようとしだすが、それに対しこの二人は頑としてこの場から動こうとはしなかった。
「冗談じゃねぇよ。お前あの光景を目の当たりにして逃げれるってのか?」
「逃げるも何も、あんなの俺達の手に負える山じゃねぇって! 悪い事は言わないからさぁ、とっとと此処からずらかった方が良いって!」
「バッキャロウ!」
怒号を張り上げつつ、神楽が平手打ちを長谷川にお見舞いする。と言うイメージが彼女の
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