第50話 決め台詞は【アポ!】
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ウロウロ……ウロウロ……
橋田屋の本店入り口前で、なのはは一人右往左往していた。スナックお登勢にて銀時が抱えて行ってしまった赤子が実は橋田屋の主の直系ならしく、しかもその赤子を橋田屋が血眼になって探し回っていると言う。
このままでは銀時の身が危うい。いてもたってもいられなくなったなのはが後先考えずに、脇目も振らずに橋田屋へと訪れたまでは良かったのだが、案の定予想した通りとも言うべきか、入り口に入った途端受付嬢に門前払いを食らってしまい締め出されてしまった次第である。
その後は入る度に身振り手振りで追い出されてしまい、結局其処から話が全く進展しないのであった。
「うぅ〜〜、どうやって中に入れば良いんだろう? 困ったなぁ」
こう言う時ドラマや映画などでは高層ビルの脇にある排気ダクトなどを使って内部へ侵入したり、他には下水道から中へ侵入したり出来たりするのだが、生憎近くに下水マンホールは見えないし排気ダクトはあったのだが小さくてとても使い物にならない。
結局入り口からしか入れないのだが、生憎入り口に入った途端に門前払いを食らってしまう。一体どうしたら良いだろうか?
悩みつつ答えを導き出そうとしているのだが、結局答えが見つからず、こうして入り口前で右往左往する羽目となってしまった。
このままでは一向に話が進まないまま無駄に文字数だけがかさむだけの詰まらない小説になりかねない。等とメタい事を脳内で考えつつ良い案が浮かばずにただただ歩き続けている。人は悩む時に限って全く意味のない行動を起こしがちだが、なのはのこの行いもそれに起因する。が、だからと言って事態が好転する筈はない。
無駄に時間だけが浪費されてしまう。それは非常に不味い事だった。なんとかしなければならない。全てが手遅れになってしまう前に―――
ふと、誰かが入り口に入っていくのが見えた。白い着物に銀色の天然パーマな髪型。そして背中に背負った同じ髪型と色をした赤子。間違いなくそれは父銀時の姿であった。
「あっ!!」
思わず、なのはは声をあげてしまった。あれだけ必死に探し回っていた銀時をまさか此処で鉢合わせる事が出来たとは。
急ぎ銀時の後を追って再び橋田屋の入り口へと繰り出す。
「あの、何度も申し上げるのですが、社長と面会なされる為には事前にアポを取られてなければならないのです。失礼ですが、アポはお取りになられてますか?」
「んだぁ? さっきからアポアポと喧しいなぁ。どう見たら俺が16文キックが得意技で身長約2メートル近くあって口癖が【アポ】なレスラーに見えるんだぁゴラァ!」
中に入るなり聞こえてきたのは物腰柔らかな女性の口調とそれに異を唱えているようだがはっきり言って滅茶苦茶な言い分を言い放っている銀時の声が聞こえてきた。しかも銀問いのその言い方だとはっきり
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