水深1.73メートル 背伸び 遠浅
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エストが細くなる。ん? そうなの?
運ばれてきた「アイスコーヒー」にガムシロップを入れて混ぜたとき、氷がグラスにあたって大きめの音を立てた。僕の自己中心的なエロティックな想像を注意したみたいだ。少しイヤラシイ事を想像していたんだ。コーヒーはとても甘い。シロップを入れすぎてしまった。
彼女は店の奥の扉から小さな男の子を連れてきた。カウンターの奥で椅子に座る彼女の膝の上に男の子が座る。僕はアイスコーヒーを飲みながら横目で気にしていた。男の子のさらさらの髪が揺れて、その後頭部が女の子の胸に触れては弾んだ。赤いベストの男はじっと窓の外を眺めていた。
僕の汗はもう引いていた。コーヒーグラスを空にして御代わりを頼もうとした。ガムシロップを入れすぎた僕を言い訳するようにもう一杯ブラックで飲みたかった。でも何故か気が引けて口を開くことが出来なかった。彼女に対して気が引けてしまったんだ。
君が僕の光だとして 僕はどこに向かう事になるのだろう
僕が君の光になれるとして 君はどんな幸せを見つけるのだろう
僕の見つけた繋がりが間違いだったら
手を上げて 間違いといって 赤いボタンを押して
逃げていって 違う糸へ
君はもう若くないかもしれないし
そう僕はしばらく前に「片思い」をあきらめたんだ
とりあえずその話しはどう?
春の午後を満たすのは陽光、きっと神様の陽光。恋の匂いが僕の頭に満ちる。
「そう、それは僕の100%の初恋だった」
僕の十四歳が終わろうとしている。
(了)
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