暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
エピローグ
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
らいいか聞いたらしい。それに対する高町の答えは、名前を呼べばいいというものだった。

「名前を呼んだら友達にね……あの子らしい」
「他にも君とかあなたとかじゃなくて、名前で呼んでとか言ってるよ」
「……俺は高町の知り合いであっても友達じゃないよ」

 アルフはどことなく呆れた顔を浮かべた。フェレット状態なのではっきりとは分からないが、彼女の肩に乗っているユーノの顔も同じように見える。

「まあ……あんたとあの子の問題だからとやかくは言わないけどさ。ただ、フェイトはあんたとも仲良くなりたいみたいだから……その、よろしく頼むよ」
「頼むよって……俺は高町と違って、名前を呼んだら友達なんて思ってないんだけど」
「あんたね……」
「お互いの呼び名なんてどうでもいい。お互いに相手のことを自分のことのように考えられるように……大切だって思えるようになったら友達だと思う。いや……友達だって思う相手には、いつの間にかそんな風に思ってるのかな」

 あの子とも最初は友達になるつもりなんてなかった。
 あの子とは図書館で出会った。最初に言われたのは、隣で読んでいいかといった感じだったはずだ。その日を気にちょくちょく彼女の方から話しかけてくるようになったんだった。
 彼女は車椅子に乗っている、が明るい性格をしている。そのため彼女に同情めいた感情は抱いたことはない。ギリギリ手の届かないところの本を代わりに取ってあげたことはあるが、それは同情とは違うだろう。
 彼女と顔を合わせれば普通に話すようになったのはいつからだろうか。思い返してみても、きっかけになった日は分からない。だがそこは、本音を言えばどうでもいい。
 俺はいつの間にか彼女の家にも足を運ぶようになっていた。会話したり、一緒に料理をしたりと、友達とやるようなことを自然にやれている。俺にとって彼女は友達だということ……大切な人だということは間違いない。
 ジュエルシードの一件でしばらく顔を出せていないが、彼女は怒っていないだろうか。いや、彼女はこんなことでは怒らない。きっと顔を出せば、笑顔で久しぶりと言ってくれるだろう。
 ただ……彼女は笑顔で本音を隠してしまう子だ。わがままを言ったりすれば、人との繋がりが切れるのではないか、と恐れているから。
 長期休暇に入ってしまえば、俺はファラのデータ取りや叔母の家の片付けに地球を離れなければならない。それまでに、彼女とできるだけ会って話しておこう。

「……ふーん。まああんたにはあんたの考えがあるだろうし、素っ気無い態度を取らないでくれるだけでいいよ」
「それくらいなら了解するよ。元々無視をしたりするつもりはないから……」

 自分から話しかけたりすることはあまりないだろうけど、と思ったが言わないでおいた。
 会話が終わったため、アル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ