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ランナーとの戦い
第三章
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して第三試合がはじまった。この試合でも江夏の登板はあった。
 マウンドでだ。水沼が江夏に言ってきた。
「来るかのう」
「来るな」
 江夏は横目でだ。近鉄ベンチを見た。
 西本はいつもの如く腕を組んで立って試合を見ている。赤と白、それに青の実に派手なユニフォームが誰よりも似合っている。
「西本さんは確かな人や」
「そやな。伊達に三つのチームを優勝させた人やない」
 そこまでできた監督はだ。他にはあの三原脩しかいないのだ。
「その西本さんやったらな」
「その時になったら確実に動く」
 江夏はだ。確信していた。
「あいつが出て来るわ」
「その時はわしが刺すか」
 水沼のその目が鋭くなった。

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