第二章
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でいけると思った。しかしだ。
一塁にいる藤瀬はだ。江夏から見るとだ。
江夏は左ピッチャーである。従って一塁が丸見えだ。だからこそ牽制も得意なのだがその彼が見てだ。藤瀬の動きはというとであった。
「鬱陶しい奴やな」
こう思わざるを得ないものだった。小柄な藤瀬が何かと盗塁を狙う動きを見せたり江夏の一挙手一投足を覗いているように見えてだ。彼は不愉快さを感じていたのだ。
「ランナーとしてわしに挑むか」
これまでも多くのそうした経験があるがだ。それでもだった。
この藤瀬はだ。江夏が味わうことのなかった鬱陶しさをだ。シリーズという大舞台において見せていたのだ。そうしてきたのだ。
それを受けながらバッターに向かわざるを得ない。言うならば藤瀬は伏兵だった。江夏を横から霍乱する。そうした存在だった。
それで気を散らされてだ。バッターである近鉄の主砲マニエルにセンター前にヒットを許した。
「一二塁やな」
江夏は打たれてそう思った。しかしだった。
藤瀬の足はだ。江夏の予想を超えたものだった。
「なっ!?」
マウンドで思わず目を瞠った。何とだ。
二塁を一気に回った。そのベースランニングも速かった。
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