第九十五話 不意の光
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掛けだったという事だ。よくもまあここまで二発目を蔑ろに出来るものだと思えるが、策に嵌った側としてはどうしようもない。インターバルの間隔を一度狂わされた以上、次の発射のタイミングも警戒しなくてはならない。
二度目のインターバルのずれが無いと誰が断言できるだろうか。実際にあるかないかの問題ではない。ハッタリとはそう思わせた方の勝ちである。
『被害状況はどうなってんだよ……クソォ、子細な情報が全く入ってこねえ』
ディアッカは情報を出来るだけ多く集め、イザークは混乱している指揮系統を統一させるように叫ぶ。不意打ちの様に放たれたネオ・ジェネシスだが、幸い被害はそこまで大きくない。
インターバルを読ませないためにメサイア側が味方を大きく動かさなかったのもあるのだろう。放たれた場所は本隊を捉えてはいなかった。それでも影響は大きい、陣形を崩されたせいで、こちらが押し込んでいた敵が立て直し、味方部隊に対して逆襲していく。
『イザーク、不味いぜ!このままじゃあ二射目の時より酷い事態になっちまう!?』
数が多いというのは戦争という状況下においては絶対的に有利な条件の一つである。時と場合においてそれが覆されるという事もあるが、それは下地となる条件が違っている時などにおいてのみ発揮されるものだ。
そして、その数の恐ろしさが牙を剥いた。艦隊は次々と孤立させられ、囲い込まれたMSや戦艦は敵の攻撃によって落とされる。そして、数の差によって戦局が傾き、その天秤は雪だるま式に崩れていく。
「クッ、ジュール隊、味方の援護に回るぞ!とにかく味方を撃ち落とされないようにしろ!!」
こうなってしまえば戦術クラスでの対応しかできないジュール隊は後手に回らざる得ない。イザーク達は各機、個別に行動することで部隊の崩壊を抑えようとする。
『想定通り、作戦に変更は無しだ――――全部隊、攻撃を開始せよ』
そして彼が現れる。一条の光がディアッカの乗るケンプファーの左肩を貫いた。
『グァッ!?』
「ディアッカ!」
ディアッカのケンプファーを撃ち抜いたのはクラウのの黒いゲルググだった。
『人が死に、その悲しみに涙を流す。高らかに悲歌を謳いあげるがいいさ』
「貴様ァ!!」
現れたのは初期型のゲルググと思われる機体だ。最新鋭機ではないが機体のスペックとしてはザクと同等以上の筈である。だが、バックパックを取り付けていない事から性能はイザークの乗るリゲルグの方が上だとイザークはそう判断した。
ビームライフルを放ちながら、ビームサーベルを抜き、振り払う。イザークのリゲルグによるその攻撃は並のパイロットであれば反応する間もなく撃墜されただろう。
『一つ一つの動作が洗練されている。優秀なパイロットだと思うよ……だけど、
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