XIV
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ら学校にチクられるかもしれないが、別に問題ない。
今は休学ってことになっちゃいるが辞めさせられたところで何の痛痒もないのだから。
「何かコスプレみてえ」
久しぶりに袖を通した制服は違和感しかない。
柄が良くないとの自覚もあるから余計にそう思ってしまう。
左耳のピアスはともかく口のは流石に言い逃れが出来ない。
中学の時に何となく口に穴を開けてみたが……今にして思えば何で口にしたんだろうか?
「ッ……まあ、穴は開いてるがしゃあねえわな」
ピアスを外して胸ポケットに仕舞う。
流石に風花と制服で並ぶなら少しでも気を遣うべきだと思ったんだが……口元が寂しい。
しかしまあ、直に慣れるはずだ。
これを機にもう口の穴は塞いでしまおうか。
「お待たせ」
つらつらと考え込んでいると風花が出て来る。
いつもはカーディガンとか着てアレンジ加えてる風花だが今回は普通の夏服だ。
夏用のワイシャツに赤いリボン、模範的な格好と言えるだろう。
「おう、じゃあ行くか」
「うん」
「しかし……」
歩きながら気になっていたことを口にする。
セクハラと思われても仕方がないけど、気になるものは仕方ないのだから。
「な、何か変かな?」
「珍しいな。お前がそういうのするってさ」
チラっと視線を風花の脚に向ける。
スカートを折って短くしているのだ。
岳羽とかがするなら珍しくもないが、コイツがするのは珍しい。
子供の時から一緒だったがこんなの初めてだ。
「後、ハイソとかも初めてじゃないか?」
俺の記憶にある風花は普通のソックスを履いているが今日は違う。
膝上まである黒のハイソックスだ。似合っちゃいるがやっぱり珍しい。
「へ、変かな?」
頬を染め、不安混じりの視線を向けて来る風花。
あー……そうか、コイツなりにちょっと冒険してみたってところか。
初めてのサボり、ついでに言うならデートだから。
男冥利に尽きるが……風花の好意に俺はどう応えれば良いのか。
それどころではないし、コイツもそれを理解している。
断るにしても受けるにしても今はそんなことを考える余裕なんてない。
「いや、悪くないんじゃないか? 素材も良いしな。ブスが突然そんな格好したら笑うけど」
「ありがと。でも、それってちょっと酷くない? 女の子に嫌われちゃうよ?」
「正直過ぎるのが俺の欠点でね」
時折視線を交わしながら会話を続ける。
幼馴染と言うのはどうにも……厄介なものだ。
風花の目は全部終わってからと言っている。
俺の大願が成就するまではこのままでいようと、気を遣ってくれているのだ。
情けないとは思うが――甘えさせてもらおう。
「ね
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