XIV
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感じに」
成るほど、確かにそいつは臭い……如何にも曰くありげじゃないか。
「そしてそのスキルとリミッターは繋がってるんじゃないかなって」
「どういうことだ?」
「完全にそのスキルの力は発揮出来ていないのはリミッターのせいで、けど完全に使えないわけじゃない」
「だからバグった表示がされていると?」
「た、多分……あの、私の推測だから鵜呑みにしないでね?」
「いや、信に足る推測だよ」
探知系の力を持っていて、且つ頭も回る風花の立てた推測だ。
そうそう的外れではないと思う。
主観では見えないものを客観的に見てくれたのだ、実にありがたい。
「ありがとう、おかげで色々考えることが出来た」
「どういたしまして」
穏やかな微笑を浮かべ礼を受け取る風花は、やはり以前よりも堂々としている。
自分に自信がついたおかげだろう。
「さて……風花がS.E.E.S.に加入するってんなら連絡して、顔合わせするべきだろうが……」
「どうしたの?」
「明日で良いだろ。昨日の今日だ、流石に他の連中も疲れてるだろうし、無論お前もな」
タルタロスってのは中に居るだけで体力を消耗する。
だと言うのに激しい戦いまですれば、更に疲労が加速するだろう。
そこそこ体力の俺でも消耗するのだ、公子や岳羽、伊織なんかも今日はグタっとしてるはずだ。
体力魔神の真田に関しちゃ多分大丈夫だとは思うが。
「とりあえず今日は学校も休みな。俺から連絡入れといてやるから」
「う、うん」
「何だよ?」
何故だか微妙な顔をしている風花、俺は別に変なことを言ったつもりはないんだがな。
「え、えっと……お、怒らない?」
「何言うつもりか知らんが別に怒りゃしないよ」
つい先日怒りで無様を晒したばかりなのだから恥の上塗りをする気はない。
もっと己を律せるようにならねばと自分に言い聞かせる。
「キーくんって、あんまり優しさを表に出すタイプじゃないからビックリしちゃって」
「……」
「昨日のことだって今思えば、凄いことしてたなって。抱きしめてくれたりして……」
恥ずかしそうに笑う風花を見ているとこっちまで恥ずかしくなってくる。
確かに俺らしくないと言えばそうかもしれないが……
「ハ……確かにそうだな。らしくないわなぁ。自分でもそう思うよ」
「う……ご、ごめん」
「謝るなって。別に気分を害したわけじゃない。ちょっとまだペースが狂ってんのさ」
風花の件より端を発したこの乱れも、ずっと続くわけじゃない。
直に何時もの俺に戻るだろう。
「つーわけで、今のうちに何かワガママ言っても良いぜ? 今なら素直に聞いてやるかもしれん」
からかい交じりにそう言うと、風花の目が揺れる
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