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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
幕間『漸動』
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ないのは承知しておる……が、念のためにのぅ」
「も〜ぅ……」
「なんじゃ、たまには恩師に紹興酒ぐらい奢っても、罰は当たらんじゃろ?」
「もう“先生”って呼ばなくていいって、言ったのは白夜さんでしょ〜…!」
「固いことは抜きじゃよ、匹夫どもの間抜けな面を肴に呑む酒も一興じゃろうて」
談笑ののち、美女二人はやがて暗闇の中を後にして、東洋の大国へと一路足を運ぶのだった。

――――

月曜日。
IS学園・高等部校内――


午前の授業を終えた修夜たちは、昼休みに中庭で集合していた。
ここにはいくつかのピクニックテーブルがあり、いつものメンバーはそこで弁当箱を広げて昼食会を開いていた。
「相変わらず美味しいですわねぇ、修夜さんのお料理は〜…」
修夜の作ってきた“アスパラガスの豚バラ巻き”に舌鼓を打ちつつ、セシリア・オルコットは感嘆の声を漏らす。
「毎日忙しいのに、よくこれだけのものが出来るな……」
篠ノ之箒も、織斑一夏の出し巻き玉子を味わいながら、二人の手際の良さに感心しきりだ。
「弁当の下ごしらえは、晩飯の用意のついでだな。あとは朝飯のついでにサッと調理できるようにして、弁当箱に詰めちまえば完成ってわけだ」
「たまに夕飯の残りとか、余った材料使って品数を穴埋めしたりもするよな」
「……美味しいです」
弁当を用意してきた二人のあいだで、紅耀が俵型のおにぎりを口に運んでいた。
「りんりんの胡麻団子も美味しいよ〜」
「ほら、口に胡麻粒付いてるわよ」
満足気に白胡麻をたっぷりまぶした団子を頬張る布仏本音と、彼女の口の端に付いた胡麻粒を取ってやる鈴。傍から見れば、年の近い姉妹にも感じられる組み合わせだ。
修夜との試合以降、鈴も修夜たちの輪に加わって、さらに賑やかな面々となった。
特に修夜と鈴は何かと小競り合いを起こしてISバトルに発展するため、練習しに来るほかの生徒たちのあいだでは、すっかり名物となってしまっている。
すっかり馴染んでいるようだが、まだ解決しきれていないこともある。
何にせよ、しばらくしないうちに、鈴と本音は自然と打ち解けるようになった。
今では呑気な本音の言動に、鈴がツッコミを入れるのがお約束となりつつある。
「鈴って、のほほんさんとそんなに仲良かったっけ?」
疑問を投げかける一夏に、鈴はどこか憂鬱そうに返事を返す。
「あたしの今の同室の子が、丁度こんな感じなのよ。嫌でも慣れたわよ……」
「同室って、どなたなのですか?」
今度はセシリアが問いかける。
「アメリカから入学してきた子よ、ティナっていうんだどさぁ……。人の話は聞かないし、太る太るってぼやきながらいつもお菓子つまんでるし、オマケに居汚いから起こすの大変だし、そのせいで朝ご飯食べ損ねるから、最近は嫌でも自炊だし……」
溜め息を
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