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IS-最強の不良少女-
帰還そして……
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ホラ」

 紫音は言いながら響にヘルメットを手渡す。響も溜息をつきながら渋々といった様子でヘルメットを被る。

「うー……視界がー。蒸れるー……」

 げんなりとする響だが、渉と紫音は溜息をついていた。

「まぁいいや。んじゃあ今度は冬休み辺りに帰ってくるよ」

「はーい。ってちょっと待ってて姉さん。そろそろ……」

 渉が言うと、響は後ろから声をかけられた。その声に響は頬を引きつらせるが渋々振り向いた。そこにいたのはやはりというべきか奏嗣だった。

「渉ー。お前呼んだなー」

「いいじゃない別に。仲直りしたんでしょ?」

「うっせ。そんで何の用だよ奏嗣」

「何の用って……そりゃあ響の見送りだよ」

 響がジト目を送りながら聞くと奏嗣は頭を掻きながら答える。その様子に方を竦める響だが、

「んじゃそろそろ行くわ。……またな奏嗣」

 響は言うと、軽めに奏嗣の胸の辺りに拳をぶつけた。そして奏嗣が反応するとほぼ同時に響は一気にそこから走り去った。






 家を出て少し走った響は特に何事もなくバイクを走らせていた。しかし、

「響さーん!」

 その声に響がそちらを見ると悠璃が手を振っていた。その他にも琉牙や真琴の姿も見られる。響はそちらに向かいヘルメットを取った。

「よう悠璃、見送りしてくれるとはあんがとな」

「あったりまえじゃないッスか! 響さんの見送りは舎弟のアタシの使命ッス!」

 響はいいながら悠璃の頭にポンと手を置き微笑を浮かべる。すると響はその後ろにいる真琴と琉牙を見やりながら。

「お前らもサンキューな」

「別にテメェを見送りにきたわけじゃねぇ! ただテメェの舎弟がここで待ってたから何事かと思っただけだ!!」

「私は妹ちゃんから連絡もらってね。ここに来たってわけ」

 そっぽを向きながら言う琉牙とは対照的に、真琴は肩を竦めつつさらりと言い放つ。

「それにしてもこれがアンタのバイクなわけね。……かっこいいわね」

「だろ。お前も取ったらどうだ?」

「そうねぇ……考えてみるわ」

 腕を組みながら吟味をする真琴だが、その隣で琉牙が誇らしげに胸を張っていた。それに響たちが首をかしげていると、

「フフン。あたしも免許はもうすぐ取れるからな。すぐにお前と同じ土俵に立ってやるぜ響!」

「えっ! お前の身長にあったバイクなんてあるのか? 三輪車の方がいいんじゃね?」

「馬鹿にすんなぁ!! バイクぐらい乗れる身長だ!!」

「でもアンタちっさいじゃない。本当に高3?」

 ライバル達から口々に言われる疑問の声に琉牙はもう半泣きだ。目尻には涙が溜まり始めていた。それを確認した響たちは話題を変える。


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