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大魔王からは逃げられない
第七話
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低いみたい。統率なんて取れるわけもなく、暫定的に頭の悪そうな大柄な男がリーダーになったけれど、恐らく個人行動になるだろう。


 幸い、私たちはダンジョンの攻略が目的ではない。あくまで噂の希少鉱石に用がある。


 希少ならギルドに高く買い取ってもらえるだろうし、魔術師のルセリアは魔術的な用途に使えるかもしれない。あまりそっち方面には詳しくないけど。


 さっさと鉱石だけ手に入れよう。


「やっぱり罠は今のところないみたいね」


 一本道を慎重に進む。ダンジョンに入ってから十分が経過したけれど、未だ長い道が続いていた。


 他の連中は我先にと突っ込んでいったけど、私たちはそんな愚を冒さない。ランクC−とはいえダンジョンはダンジョン。なにが待ち受けているかわからないのだから。


「分かれ道だな」


 オルレアンの言葉通り、道が左右に分かれていた。


「どっちに進む?」


「攻略図もなにもないんだから、取りあえず左でいいんじゃない?」


「それもそうね」


 私の言葉に二人が頷き、左へ進む。


 攻略図というのは現時点まで進んだ道を自動的に記録してくれる魔道具のことだ。ダンジョン攻略には欠かせないアイテムである。


 当然、今も持ち合わせているけれど、このダンジョンは今回が初攻略のためマップを見ても意味がない。


 それから五分ほど薄暗い道を歩き続ける。明かりはダンジョン内の各地に設置されされている【不滅の松明】のみ。魔術師のルセリアがいるから万一の明かりにも困らない。


「……変ね。こうも同じ道が続くなんて」


「ああ。見てみろ、この壁の亀裂、先ほど目にした覚えがある」


 オルレアンの示した土壁には斜めに走っている小さな亀裂があった。


「同じところを回ってるというの?」


「その可能性が高いな。試しに目印をつけておこう」


 オルレアンはナイフで壁に×印を刻んだ。


 再び道を行くけれど、数分経つと目印のところに戻る。


「間違いないな。ループしてる」


「罠かしら」


「魔術の形跡は?」


「今のところ感じないわ」


 どうしようかと顔を見合わせる。


 リーダーであるオルレアンが口を開いた。


「近辺を調べてみよう。なにかしらの形跡があるかもしれん」


「そうね」


 壁を叩いたり、足場や天井を注意深く観察しながら歩く。


 先頭を歩いていたオルレアンが足を止めた。


 彼女が注視する先にはぽっかりと開いた穴があった。


「脇道だと……? 先ほどまではなかったはずだが……」


 確
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