DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十四話
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。黒だ。漆黒の闇――――
「眷王よ。《土の王》をお連れした」
「は〜い、ありがとうございます、■■■」
闇の中に、突如として色彩が現れた。
真っ白い髪の少女だった。目はやはり紅蓮。長い白髪は、先端に近づくにつれて、彼女の瞳と同じ紅蓮色に変わる。穏やかな笑みを浮かべたその顔には、一握りの狂気が混じっている。片時も外さない、彼女の《兄》とお揃いのマフラーは、やはり紅蓮色。
この白き王宮を支配する存在、その最高の眷属たる《七眷王》、それを支配する《眷王》……。
彼女の名は、グリヴィネ。グリーヴィネスシャドウ。グリーヴィネスシャドウ・イクス・アギオンス・アンリマユ。今は能力をあらかた封じた《普段着》であるが、これが完全な力を開放した《天衣》となれば、べヴィティールを始めとする四人に加えて、かつての仲間たちを加えた最盛期の《六王神》が束になってかかっても、人にらみで敗北する―――――そんな、超上存在。
「よく来てくれましたね、べヴィティール。お兄様は此処には来てませんけど、きっと感謝してると思います」
「……恐悦至極でございます、眷王……」
にっこりと笑みを浮かべるグリヴィネ。しかしべヴィティールは知っている。ひとことでも対応を誤ると、瞬時に彼女によって《断罪》させられることを。
ゆえに、一つのボロも出さないように、彼女が望むように答えを選ばなければならない。
「……べヴィティール、今日、あなたを呼んだ理由……わかっていますよね?」
グリヴィネが問う。早くも、べヴィティールに動揺が走る。何だ。全く想像がつかない……。
「……何でございましょうか、眷王……」
「とぼけるなッ!!」
別の一角から、新たな人物の声。そこにいるのは、紅蓮い髪の、純白のローブの少女だ。グリヴィネと同じ、20歳ほどの外見。
彼女の名はトリス=アギオン。トリス=アギオン・イクス・アギオンス・ゼロベータ。断罪システム《神罰》をつかさどる、絶対滅殺の女神……。
「あなたが先日よこしたグリモワール、ページが一枚抜け落ちていました。あれは■■■様への手土産、あれからページを破り捨てた!?許されるわけがないと知れ!」
激高するトリス。べヴィティールは内心で絶句していた。先日、彼女たちが兄とあがめる《王》の娘へと手向けた魔導書。あれはかなり古い本だった。しばらく読んでいなかったので、最後に渡す前にチェックを入れたはずだったのだが……。
「……幸いなことに、私たちのお兄様が魔導書を修復してくださいました。それにあなたは《監視》のかなめ。お兄様は、あなたに対する罰を最大限軽減するように、とおっしゃりました故に――――
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