暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜キリトさん、えっちぃコトを考える〜
第二話
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あまりの衝撃に罠にかけられたことも忘れて完全に固まってしまった。

 声から察するに俺より相当年上……おそらく二十歳は超えているだろうに少年の心を忘れていない変態は、ゆっくりとその右手の指(純白の手袋が付けられていた)をパチンと鳴らす。どんな仕組か、それによって周囲に極小に絞られたほんのわずかな桃色の炎が灯り、《暗視》のスキルの効果がわずかに拡張される。

 それによって、俺の視界に映ったのは。

 「っ、えっ、おぁっ……!?」
 「うむ、眺めるだけならばタダだ。年齢的に売りはしないがな。一応、お約束というか通過儀礼というかを行っておこうか。……ようこそ我が砦、『アダルトショップ・インビジブル』へ」

 ピンクの靄のかかったような視界のなかで、俺は仰向けにぶっ倒れた。





 「落ち着いたかね? 今時の少年にしては珍しい純真さだな」
 「……ほっとけよ……」

 桃色の炎の消された空間で座り込んで、俺は深々とため息をついた。
 心情的には昼間についた溜め息の三倍くらいの思いがこもった奴だったろう。

 俺だって、このネット全盛期のご時世にモラルハザード甚だしい世界で現実を生きてきた健全な男子中学生であり、それなりの知識はある。興味だってまあ、男子中学生平均くらいはある……だろう、と、思う。だがまあ、それでもいきなりこれは。

 「ふむ……今日は君は何か思うところでもあったのかい?」
 「…………」

 やめろ、思い出させるな。あの一瞬にふわりと視界をよぎった世界と、俺の脳裏に刻まれているアレを関連づけさせるな。それだけは駄目だ。無言で変態を睨みつけて黙らせるが、変態は変態で俺の心中など察することなく真剣に仮面の奥で心配している様子だった。

 根っからの変態だ、こいつ。
 そしてそんな変態に、心から心配されている。

 いかん、あまりの自分の情けなさにちょっと涙が出そうになった。

 「……話を進めよう。えっと……」
 「ああ、失礼した。我が名はモザイク。歯牙無いプレイヤーショップ店主だ」

 いかん、ここで突っ込めば話は長引く。
 ちらりと仮面の向こうの目でこちらを窺い、若干残念そうな変態……モザイクが続ける。

 「今回の依頼は、……ふむ、一人の女性を尾行、撮影してほしいのだ」
 「がっつり犯罪だな」
 「いやいや、大丈夫だ、問題ない。依頼主は私でもあるが、もう一人……君にここを紹介した男も含まれる。我ら二人の太鼓判のあるということだ」
 「何がどう大丈夫なのかまったく理由になってないよなソレ」

 だ、だめだ、こいつ馬鹿だ。馬鹿で変態だ。突っ込まずにはいられない。

 「……っていうか、いたいけな若者を巻き込むなよ。あんたらが勝手にやって勝手に捕まってくれ
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