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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第8-M話 騒がしき人々
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お聞きしたいですわ」
「なになに?次は千雨ちゃんが歌うの?」
「英語の勉強にもなるし、僕からもお願いしたいな」
チッ賑やかなところから見つけられちまったし、高畑先生の後押し付かよ。

「はぁ…わかったよ、じゃあ『Twinkle, twinkle, little star』いくぞ。
確か「きらきら星」だったかな、悪いが日本語の歌詞はよく知らんから英語で行くぞ」
押し上げられた教壇上で私はそう宣言して歌い始めた。

…案の定、さっきまで賑やかに合の手入れてた連中が静かになった。
音を楽しむ曲ならともかく、わからん歌詞でアカペラの歌を聞いてもつまらんだろうに。
そう思いつつも、全力で歌を歌い上げる。

そして拍手、それも一等大きな
「千雨ちゃん歌上手だね!」
「次、夏祭り歌って!」
「夕焼け小焼けとかも!」
「え?」
どうやら、私の歌は案外受けたらしい。
…まあ、酒場の連中とは好きな歌が違ってもおかしくはないが…ここまでか?

その後、何曲かアンコールをさせられた後でマナに聞いた所によると、
『アイツほどじゃないが、相当上手い部類に入るといつも言っているだろう?』
だ、そうな。
事あるごとに歌わせられそうだが、たぶん本気で断れば無理強いはしない連中だろうし、まあいいか。






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