黒蝕の陰、天廻の陽
新天地での初依頼 討伐
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床に叩きつけられることとなる。
メラルーの群れがこの辺りで活動しているようで、狩猟中の窃盗被害が後を絶たないそうだ。
「この辺りにはどうやら、クンチュウは居なさそうね。」
「生息域も分かりませんし、しらみつぶしに当たるしかないですね。たまには適当に歩き回るのもいいでしょう。」
周囲を観察しつつ、エリア四へと向かった。
「あれ?いつの間にか合流しちまったぞ?」
「どうやら、クンチュウの生息域は限られているようですね。」
そうこうしている間にエリア七を除く全てのエリアを歩き、合流してしまったアルフレッド達
そして
「どうやら、あれがクンチュウのようだね。」
アルフレッド達が崖の方を見ると、黄土色の甲殻を身にまとった盾虫クンチュウがその体を起こし左右に震わせ、アルフレッド達を威嚇していた。
「甲虫種…だっけ?というとランゴスタやカンタロスと同じ種類なのか?アル」
「そうだね、生態がかなり違うようだけど。」
クンチュウは自身の体を丸まらせると転がり始め、かなりのスピードでアルフレッド達の元へ転がってきた。
「うおっ、あぶね!」
寸前のタイミングで右足を上げて転がり突進を回避するダイラス。
目標を通り過ぎてしまったクンチュウは体を元に戻し、ダイラスの方を向き直って再度体をくねらせ威嚇した。
「ハハハッ、こいつおもしれぇなぁ!」
「そうだね、ソルディム山地やテロス密林じゃ見かけない行動をするし。」
ダイラスが笑いながらハンマーを持つ腕に力を溜め込み
「でも俺に突進してきたのは否めないかなッ!」
思い切りフラストレーションを叩き付ける。
クンチュウは緑色の体液を周囲にぶちまけながらピギッという音と共に砕け散った。
「ちょっ、ラス…。力が強すぎるよ…。」
「だって討伐だろ?こんくらい早いほうがいいじゃねえか!」
「まったく…。」
アルフレッドはそういうともう一匹転がってきたクンチュウの突進を回避し、
「ハンマーでは潰れちゃったけど片手剣とかはどうかな?」
ひらりと片手剣をクンチュウに滑り込ませた。
すると片手剣は弾かれたが、衝撃に驚いたクンチュウは急激に丸まりその後裏返って暴れ始めた。
「なるほど…甲殻自体はかなりの強度の物だけど外部からの衝撃に過敏に反応して瞬時に防御形態をとるのか…。これは面白いモンスターだ!」
とさわやかな笑顔でクンチュウを滅多切りにした。
数秒後、返り血…もとい返り体液を拭いながらアルフレッドは
「いやぁ、調査狩猟って楽しいですね!」
と満面の笑みでダイラス達に語りかけた。
「…時々アルの方が怖いんじゃないかって思うときがあるぜ…。」
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