第一幕その六
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「あの人は」
「時計塔の一番上で着替えるものかしら」
恵梨香はこう考えましたがすぐにそれはどうかと思いました。
「そんなことないわよね」
「一人で着替えたいならトイレがあるじゃない」
ジョージはこう恵梨香に返しました。
「だからね」
「時計塔の上で着替えないわよね」
「うん、ないよ」
そんなことはまず、というのです。
「そんなことはね」
「じゃあどうしてかしら」
時計塔の頂上に向かっているのは。
「今ここを登っているのかしら」
「謎は全て一番上のお部屋にあるわね」
ナターシャは冷静にこう言いました。
「ここであれこれ言うよりもね」
「まずはなのね」
「ええ、上に行きましょう」
その人を尾行していってです。
「そうしましょう」
「じゃあこのまま」
「隠れながらね」
螺旋階段は真ん中の円柱の様な場所に巻き付く様にしてあります。中に時計を動かす機械が一杯入っているのです。そしてその円柱が物陰になっていて五人は隠れられているのです。とても有り難いことにです。
「一番上まで行きましょう」
「じゃあね」
恵梨香も男の子達三人もナターシャの言葉に頷きました、そうしてです。
その人は一番上のお部屋の扉を開けました、そして。
五人は扉のところにそっと来ました、そのうえでその人が閉じた扉をそっと開けてお部屋の中を覗いてみますと。
その人はお部屋の真ん中にいました、そこからです。
一言です、こう言いました。
「オズ」
若い男の人の声です、その声でこう言いますと。
その人の前に淡い青色の渦巻き、二メートルはあるそれが出てきました。渦は右から左に回っています。
その渦にです。その人は入っていきました。そうして消えてしまいました。
その人が入り終えると渦はすうっと煙の様に消えてしまいました。五人はその一部始終を見ました。そうしてです。
五人共です、驚いた顔でお互いを見て言いました。
「今の見た!?」
「うん、見たよ」
「あの人消えたね」
「急に青い渦が出て来てね」
「その中に入って」
本当に驚いている顔でお話をします。
「こんなことがあるなんて」
「何か嘘みたいだよ」
「けれど実際に渦が出て来て」
「あの人が中に入ってね」
「消えたから」
「ねえ、ひょっとしたらね」
ここで、です。恵梨香が四人に言いました。
「私達もあの青い渦を出せるかしら」
「僕達も?」
「あの渦を出せるかっていうんだ」
「うん、どうかしら」
こうジョージと神宝にも言います。
「出来るかしら」
「とりあえずやってみよう」
カルロスが恵梨香にこう答えました。
「やってみないとね」
「実際になるかどうかはわからないから」
「そう、やってみよう」
カルロスは
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