第一幕その四
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五人は色々な仮装の人達を観ました、そしてその中に。
カボチャ頭に細い身体と手足の人を観ました、恵梨香はその人を観て少し驚いた顔になってこう言いました。
「あれっ、あの人って」
「どうしたの?恵梨香ちゃん」
「何かあったの?」
「うん、あの人」
ジョージと神宝にその人を手で指し示しつつお話します。
「あのカボチャ頭の人だけれど」
「あれジャックじゃない」
ジョージはそのカボチャ頭の人、オレンジに黄色が入った鮮やかな色で丸い二つの目とギザギザのお口のその人を見て言いました。
「カボチャ頭のね」
「ジャックって?」
「ほら、オズシリーズに出て来る」
「そういえば出て来たわね、そうしたキャラクターが」
「うん、あれだよ」
そのジャックだというのです。
「あの人はね」
「カボチャ頭のジャックの衣装を着てるのね」
「そっくりだね」
ジョージはそのジャックを見て感心して言いました。着ている服は昔のアメリカの服西部劇に出て来てもおかしくない感じです。
「本人みたいだよ」
「あれっ、あの人」
神宝もその人を見ています、そのうえでこう言いました。
「何か違う様な」
「違うって?」
「動きがおかしくないかな」
こう言うのでした、恵梨香に応えて。
「どうも」
「そういえば何かギクシャクしてるわよね」
恵梨香もその人をじっと見て言いました。
「人の動きよりも」
「固いよね、何となく」
「ええ、指の動きも」
そこも見るとでした。
「固いわ」
「何か普通の人と違うみたいな気がするね」
「若しかしたら本人だったりしてね」
カルロスがここで笑って冗談を言いました、仮装ではなくて本人つまりカボチャ頭のジャック本人ではないのかというのです。
「中に誰もいなくて」
「そんな訳ないよ」
「そうだよ、、有り得ないよ」
ジョージと神宝がカルロスの言葉を笑って否定しました。
「ジャックがこんなところにいるなんてね」
「こっちの世界にはね」
「ジャックはオズの世界にいるんだから」
「この世界にはいないよ」
「あれはお芝居だよ」
「ジャックになりきっているんだよ」
「いえ、それはどうしかしらね」
カルロスの冗談に笑って応える二人にです、ナターシャが言ってきました。ナターシャもジャックを見ています。
「何かおかしいわよ」
「おいおい、ナターシャもそう言うんだ」
「あの人が本物のジャックだって」
「よく見て、カボチャの目やお口の中がね」
そこを見るとだというのです。
「何もないわよ」
「えっ、まさか」
「そんな筈がよ」
「よく見て」
ナターシャは自分の言葉を否定しようとする二人にさらにお話します。
「カボチャ頭の中ね」
「そういえば何か」
「おかしいね」
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