暁 〜小説投稿サイト〜
最不人気使いの最強戦士
最不人気使いの最強戦士
[5/7]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
ばれる、《投剣》《体術》複合武器が、数少ない攻撃用武器だった。相手が攻撃を放つ瞬間にヒットすると、ディレイ率の増加する特殊効果を持ったこの武器で、俺は奴とうまく立ち回った、のだが……。

 戦闘開始から一時間余りが経過したその時、それは起こった。俺の集中力がついに途切れ、ボスの攻撃が盛大にクリティカルヒットしたのだ。ポーションは長きにわたる戦いですでに使い切っており、もしもの時のためにと用意しておいた《回復結晶(ヒールクリスタル)》――当時はまだ恐ろしく高価で、最前線でしか買えなかった。そのため、俺が所持していたのはこの時たったの二つだった――に頼ることとなった。

 しかし。

 あろうことか、絶対回復をもたらすはずの《回復結晶》は、俺のHPをびたいちも回復しなかった。否、そもそも効果を発揮しなかったのだ。俺が初めて遭遇した、《結晶無効化空間》だった。《結晶無効化空間》は、その名の通り《転移結晶(テレポートクリスタル)》や《回復結晶(ヒールクリスタル)》、《解毒結晶》などを始めとする、十数種類存在する結晶アイテムの効果全てを無効にする空間のことだ。当時はまだ最前線ですら発見されておらず――実際には迷宮区などには存在していたらしいのだが、大抵が隠し宝箱などの周りに、強制的にモンスターハウスを呼び出す《アラームトラップ》と共に設置されたトラップであり、引っかかったプレイヤーほぼ全員が死亡しているなどのことから、その存在は明るみになっていなかった――、俺にとっても初めて遭遇するトラップだった。

 動揺した隙を突かれて、再び攻撃がヒット。今度はクリティカルヒットでは無かったとはいえ、元々の攻撃力が桁違いである《カドゥケイス・ジ・アンフィスバエナ》の攻撃は、たった二撃で俺のHPを真っ赤に変えた。

 回復ポーションは尽きた。回復結晶は使えない。絶体絶命の状態で、俺がふと思い出したのは、《瞑想》スキルの存在だった。《瞑想》スキルの中に、一度発動させた後は精神集中(っぽい)ポーズをとらなくても、一定時間継続的にHPを回復させる機能があったことを思い出したのだ。当然回復量・回復速度は限りなく『微妙』であったが、その時の俺はわらにもすがる思いでそのスキルを起動させた。

 そしてその時、俺は《瞑想》スキルの能力項目に、見慣れない能力があることに気が付いた。

 名は、《第一チャクラ解放》。能力説明も何もなく、ただ名前だけがそこにあった。HPが徐々に回復していく中、俺はそのスキルを起動させてみた。本来ならばSAOで、手に入れたばかりの力を使うのはあまりほめられたことではない。だが、この時の俺は猫の手も借りたいような信条だったため、多少でも助けになりそうなものは何でも使った。

 
 結論から言えば、この《第一チャクラ解放》の力は信じら
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ