最不人気使いの最強戦士
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面倒な話。
このSAOでは、素手で戦うよりも武器を持って戦う方が圧倒的に有利だ。《体術》は素手での攻撃力を向上させ、素手攻撃専用のソードスキルを出現させるスキルではあるが、それでもソードスキル無しの武器攻撃の方が威力が高いのは否めない。《体術》がほかのスキルよりも過小評価されるゆえんの一つだ。
ソードスキルについても説明せねばなるまい。《ソードスキル》とは、その名の通り《剣技》――――この世界、《ソードアート・オンライン》を象徴すべきシステムだ。この世界は《剣技の世界》の名が示す通り、《魔法》が存在しない。代わりに、いわば必殺技的な物として無限に近い数設定されているのが、この《ソードスキル》。通常攻撃の二倍はあろうかといえるほどの速度や威力を誇る技を駆使して闘うのが、この世界の定石だ。
もちろん徒手空拳の俺も例にはもれずソードスキルをきちんと使ってはいる。しかし、《体術》のソードスキルはいささか頼りない。あくまで《体術》は補助スキルだ。そのため、ソードスキルの威力が低い。もともと《体術》のソードスキルは、《ソードスキルの連続》という事象をなすためだけにあるようなものなのだ。ソードスキルの弱点として、使用後に1~3秒ほどの長い使用後硬直時間が課せられるという事がある。しかしこれは、違うスキルのソードスキルを繰り出すと打ち消すことができるという事が実証されている。しかしこの世界に置いて、『片手に武器を握った状態で、もう片方の手で武器を使う』ことは不可能だ。なぜなら、《二刀流》を試みた瞬間にシステムがイレギュラー装備状態と見なし、ソードスキルの使用を禁止してしまうからだ。必然的にコンボ用のスキルは、武器を使用しなくていいスキル……《体術》に限られてくることになる。そのため、その一点に関しては《体術》スキルは非常に優秀であり、《体術》スキルをもしものための護身用的な位置で取得するプレイヤーも少なくない。だが、それに比例するかのように、《体術》スキルをメイン攻撃に使用するプレイヤーは、それこそ数えるほどしかいないだろう。
そして俺は、そんな数えきれるプレイヤーの一人であった。《瞑想》スキルと言い、《体術》メインといい、俺はどうもこういった不遇スキルを気に入る傾向にあるらしい。俺のスキルスロットには《エクストラスキル》に分類されるスキルがわんさか詰まっているし、戦法もほかのプレイヤーとは一線を画す。それでも俺がSAOの最前線で戦う《攻略組》であることができるのは、ひとえに《瞑想》スキルの『隠された力』のおかげに他ならない。
あくまでこれは俺の脳内ナレーションであって、誰かが見聞きしているとは思えないのだが、もしそんなことができる奴がいたのならば疑問に思っているはずだ。「《瞑想》スキ
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