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Fate/InterlaceStory −剣製の魔術師−
第三話 〜定義の履き違え〜
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れとなんだが……君が化け物なんだったら俺も化け物と言うことになる。――――――――俺も吸血鬼なんだから」
これには全員が驚いていた。
――そんな彼らに構わず士郎は自身の事を紡ぎ出す。
元々は人間だったこと。
だがある時に瀕死の状態に陥り、それを知り合いの吸血鬼が士郎を吸血鬼化することによって命を救ったこと。
そしてそれから300年余りの時間を生きてきたことなど――。
「言い忘れていたが俺は吸血鬼の中でも死徒と言ってな。血を吸う事によって相手を人形のように操ることも可能だ。……どうだ、俺の方がよっぽど化け物に相応しいだろう?」
その言葉にすずかははっきりと首を横に振って否定する。
そんな彼女に士郎は満足気に微笑んだ。
「――それでいい。その通り、俺は自分を化け物とは思わない。それはすずかや忍も同じで、君達が吸血鬼だという事実は今も、この先もどうあっても変わらない。ならばそれを受け入れた上で前に進んでいけばいい」
何かを思い、何かに葛藤し、そして何かを必死に溜め込みながらこちらを見る彼女の頭に手を乗せ、優しく撫でる。
「今のが俺の答え。すずかはすずかだけの答えを見つけていかないとな」
「私の……答え?」
「ああ。悩んでいるときは好きなだけ悩めばいい。ただ君は化け物じゃない。それは答えを見つける云々の前に断言出来る。―――だからさ、自分の事を化け物だなんて言うのはやめてくれ。もう一度言うけど…すずかはすずか。普通に笑顔が似合う、可愛い女の子なんだから」
最後に自身が思っていた本心からの言葉を口にすると彼女は泣き出してしまった。
きっとこれからも悩むときはあるだろう。すずかが吸血鬼だという事実はこれから何があろうと変わらない現実なんだから。
だがもう彼女は後悔だけは絶対にしない――そんな確信を士郎は持った。
泣き終わったあとのすずかの表情は、何かを振り切ったかのように晴れやかな表情をしていたからだ。
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