王様、始めます
第18話
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ょう。僕の持つ魔導書、死霊秘法の写本の精霊、ルゥです」
「はじめまして」
「今は力を抑える様に指示していますが、先程の距離で全力で力を解放させれば命以外の全てを奪えています」
「ちっ、契約違反を平気でするとわな」
「甘いですね。契約はサーゼクス様としか交わしていないでしょう。僕自身に何の拘束もありませんでしたから。それに今の僕は人間ですからね。悪魔の法則は通用しませんよ」
「……お前、これがどう言うことか分かってるのか」
「もちろん、挑発ですよ。僕は天使と悪魔に恩がありますけど、堕天使には仇しかありませんからね。僕の心証を分かり易く伝えるには良い手でしょう?」
「ミカエルやサーゼクスの報告と違うな。猫を被ってやがったか」
「いいえ、見せる機会がなかっただけですよ。評価が0の相手に対してはこんな物ですよ。部長は契約に基づいて配下に着いていますから最低限の礼儀はとりますけど、それがなければこんな態度を取っているでしょう」
「……お前、本当に聖職者なのか?」
「……自分でも壊れ始めてるのは分かっていますから。あと、10年まともに過ごせれば良い方です」
自覚してから、自分の不安定さが増しているのが分かりました。汚染を舐めすぎていました。
「はん、10年で何が出来るというんだ」
「三勢力を皆殺しにする位なら。勢力を壊すだけなら1年も要らないです」
「……ハッタリ、じゃあなさそうだな」
「ええ。壊すだけならね。僕の破壊の後には、狂気しか残らない。残されるのは侵されて犯されて冒された魂のみ。それは文字通りの地獄。尊厳の一切が無い地獄。力を解き放った僕はそれしか出来ない」
「意味が分からんな」
「少しでも触れれば分かりますよ」
収納の魔法陣から一番適当に書いた死霊秘法の写本を取り出してアザゼル様に投げ渡す。
「こいつは、話にあった死霊秘法の写本か?」
「一番力の無い物です。ですが、油断しないで下さい」
「油断出来るかよ。こんな禍々しい物を前に油断なんて出来る訳が無いだろうが」
そう言いながら、ゆっくりと写本を開くアザゼル様。しばらくの間、頁を捲る音だけが響き、徐々にアザゼル様の顔色が悪くなっていく。そろそろ限界だろうという所で写本を取り上げる。
「やはりアザゼル様にも適正は無かった様ですね」
写本を取り上げるのと同時にアザゼル様が荒い呼吸をしながら床に膝を付く。
「はぁ、はっ、はあ、これで、一番力が無いだと!?」
「ええ。普通の文具屋に売っていた白紙の本に普通の鉛筆で書き込んだだけの代物です。頁数の問題で7割程しか書けていませんが、それでも最低限の力を持った魔導
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