王様、始めます
第18話
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格好だけは認められないんですね。あれで必要な時はちゃんとした正装が出来るのだから質が悪い。だけど、欲望に真直ぐなので僕からは何も言えない。周囲に甚大な被害を出している訳でもないので、精々がこうやって会長に薬を渡してたまに愚痴に付き合ってあげる位しか出来ない。僕達は無力だ。これが魔王様の力か。
授業参観の翌日、サーゼクス様とグレイフィア様と共に三勢力での会談の前の事前会談に参加する。事前会談ではあるが、ここで話がこじれれば戦争が起きる可能性もある以上気を抜くことは出来ない。サーゼクス様もいつもの軽い感じではなく悪魔を束ねる魔王としての威厳に満ちている。略装ではあるが失礼にならない程度にしている。
そして会議室に集ったのは悪魔側はサーゼクス様とグレイフィア様と僕、天使側はミカエル様とガブリエル様、堕天使側はアザゼル様お一人だ。
「では、始めようか。第一の議題は先日起こったコカビエルとバルパーによって引き起こされた聖剣奪取事件に関してだ」
サーゼクス様のその言葉で始まった会談は各勢力が凌ぎを削る場となった。どこまで賠償をするのか、どこまでなら譲れるのか、どれだけ認めるのかを徹底的に詰めていく。こういう経験は今までなかったので出来る限り身につける必要がある。今後は僕もここに居る人達を相手にこういう場に参加する必要があるからだ。
二時間程経過した所で一度休憩に入り、再び論戦が始まる。たまに僕にも話が振られる様になり、ただ事実だけを述べていく。休憩から一時間経った所でようやく今日の会談が終わるのだが、アザゼル様が僕と一対一で話し合いをしたいらしく、サーゼクス様もミカエル様もそれを許可したのでアザゼル様と二人きりになる。
「さてと、改めて自己紹介をしよう。オレはアザゼル。神の子を見張るもののトップをやらせてもらっている」
「木場祐斗です。元ガブリエル様直属のエクソシスト兼鍛冶屋で、現在はリアス・グレモリー様の騎士兼サーゼクス・ルシファー様お抱えの鍛治師をやらせてもらっています」
「ああ、そこら辺は聞いてるよ。神器が変化したり、変な魔導書を持っているとかな。だがな、オレが聞きたいのはそんなことじゃない」
僕の神器や魔導書よりも興味を引く物があるのか。
「答えられる限りは答えましょう」
「ああ、是非とも答えてもらいたいねぇ。返答次第じゃあ、ここで」
「無理ですね。そもそも未だに一対一だと思っている時点で勝ち目はないですよ」
アザゼル様の背後に潜んでいたルゥがアザゼル様の背中に抱きつく。
「っ!?いつの間に!?」
「ルゥ、もういいですよ」
「いえす、ますたー」
アザゼル様から飛び降りたルゥを膝の上に乗せて頭を撫でてあげます。
「紹介しまし
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