王様、始めます
第18話
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サーゼクス様とセラフォルー様が楽しみにしている授業参観がとうとうやってきました。まあ、僕にはあまり関係ないんですけどね。僕の親と呼べる神父様は隣の県に住んでるから。
授業参観に割り当てられている時間の僕のクラスの授業は音楽だった。普通にやれば良いのにかなり特殊な楽器が用意されていて、それでクラスの一人が即興曲を披露することになったのだけど、やはりと言うか僕がやる事になった。
とりあえず用意された楽器の中からノコギリを手に取る。ミュージックソウと呼ばれる演奏用のノコギリでイスに座って股で挟み、刃を曲げたりしながら弓か撥を使って演奏するのだ。音程が安定せずに、かなり難しい部類にあたるのだけど、これも剣の一種ではある。解析しながら適当に音を出せば、どのように扱えばどんな音が出るのか分かる様になる。後は聖歌を適当にアレンジすれば良いだろう。防音設備は十分だと思うけど、一応遮音結界を張ってから適当に演奏する。
アンコールと言われても時間が足りないですし、あまり音楽には興味があまりないので賛美歌位しかレパートリーがないので辞退させてもらいました。
イッセー君のクラスでは英語のはずなのに紙粘土で物を作る授業だったとか。この学園に居るとたまに頭が痛くなることが多いんですよね。この前の球技大会のハンマー投げとか。ちなみにイッセー君は部長の裸婦像を作ってクラスメイトにオークションにかけられそうになったそうだ。コレにはさすがに苦笑いだよ。
どっちにって?イッセー君もイッセー君のクラスメイトも両方だよ。
とりあえず部活に行くために二人で部室に向かっていると、前方に男子が集っている場所があり、そこから聞いた事のある声と携帯のシャッター音が聞こえて来た。あの方は今日もあの格好なのか。
「なあ木場、誰か有名人でも居るのかな?」
「ええ、有名人ですよ。裏の世界の有名人ですが」
頭を抱えていると騒ぎを聞きつけた匙君がやってきました。
「ほらほら散れ。今日は授業参観なんだぞ!!」
匙君に追い立てられて男子が散った先にはやはりというかあの方が私服、魔法少女服で居ましたよ。
「あんたもそんな格好しないでくれ。って、もしかして親御さんですか?困りますよ、場に合う衣装という物があるでしょう?」
「え〜、だってこれが私の正装だもん♪あっ、ゆうたん、お久しぶり〜?ルゥたんは元気にしてる?」
「ええ、元気にしてますよ。貰った服はたまに来ていますよ」
かわいらしいポーズをとるあの方が僕を見つけたのか手を振りながら近づいてくる。それを見て匙君が僕達に気が付いたようだ。
「木場、お前の知り合いなのか?」
「ええ、知り合いと言えば知り合いです。というか、匙君の知り合いの身内です。よく顔を見てみれば分かりますから
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