第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第19話 不死鳥のくせになまいきだ
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ツーマンで特訓することになった。
これには異論が出たが、「向いているから」の一言で封殺した。
ヴィータあたりでもよさそうだが、彼女は無手での戦いには不慣れである。
一方で、ザフィーラは拳で戦うが、防御主体なため、特攻には向かない。
必然的に、ボクが担当することになるわけだ。
「さっき説明しただろう。ボクの戦闘スタイルが一番キミに合っているからだよ」
赤龍帝であり、禁手化を果たした彼の戦術的価値は計り知れない。
とりわけ、力技での突破力は、他に追随を許すまい。
『赤龍帝の籠手』は、それだけ強力なのだ。だから――
「赤龍帝であるキミは強い。訓練を積み、経験を重ねれば、グレモリー眷属のエースになるだろう」
「ああ。ドライグもそう言っていた。『相棒と俺の力は、まだまだこんなもんじゃない』ってな」
「その通りさ。伸び代がたっぷりと残っている兵藤くんは、この合宿の目玉といっていい」
「じゃあ、なんで八神さんが訓練相手なんだ?」
「いっただろう?ボクの戦闘スタイルと一番相性がいいって、ねッ!」
ブンッ、ズガガアアアアアアアァッ
「うおお!?」
手近な岩を殴り、粉砕して見せる。
予想通り兵藤一誠は、目を見開いて驚愕の表情を浮かべたあと――
「なるほどな。たしかに俺にはうってつけ、か」
「わかってくれて、なによりだ」
――理解の色を示した。
そう。八神家の中で、単純に一番力が強いのは、ボクなのだ。
理由はもちろんある。身体強化魔法だ。
正常化した防衛プログラムの保護下にあるボクは、自動修復機能の恩恵をうけられる。
通常、身体強化魔法は強度を高めるほど、身体に負荷がかかる。
しかし、プログラム体であり、その身体を自動修復されるボクは、身体強化魔法との相性が非常にいい。
無尽蔵にある魔力を使えば、理論上は無限に身体強化が可能だ。
もっとも、比例して制御も難しくなるために、限界はある。
騎士甲冑にも、自己修復、自動治癒機能を付けているため、突撃には一番適している。
王・指揮官・護衛対象といった者が、前線に突っ込んでは駄目なので、実践したことはないが。
ともあれ、倍加によって無限に力を底上げする『赤龍帝の籠手』には見劣りするものの、今の兵藤一誠ならば充分に相手ができる。
ボクは、基本的には、攻勢後方支援型だが、シュベルトクロイツを使った槍術、あるいは無手での近接格闘戦も可能だ。要するに、万能タイプなのである。
物分かりがよい彼に、ニヤリと笑いかける。
――――さあ、これからが特訓(という名の地獄)のはじまりだ……!!
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