第三章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
るが中身のない打線を見事に封じたのである。
その経緯も見てだ。二人はまた話したのだった。
「やっぱり権藤さんだな」
「そうですね。あの人が声をかけたからですね」
ピッチャーが奮起できた。それも見たのだ。
その試合は中日の勝ちに終わり中日投手陣自体が好調だった。彼等の練習、あくまで投げることをあまりしないその練習を見ながらだ。先輩も若い記者も話した。
「投げるだけじゃない。消耗品だからこそ」
「それがわかっている人だからですね」
「こうして。ピッチャーが明るく投げられるんだな」
「そうなんですね」
笑顔で話す二人だった。中日投手陣はその権藤の指導を受けながら練習を続けていた。それは自分達を理解してくれる人がいてくれて安心している、そんな笑顔での練習だった。
その笑顔を見てだ。また言う二人だった。
「今年の中日もいけるかもな」
「ですね。落合さんがいなくなって不安もありますけれど」
「それでも権藤さんがいてくれたらな」
「少なくともピッチャーは安心できますね」
こう話してだ。中日の記事を書くのだった。ピッチャーのことを知る野球人がいるそのチームを。
消耗品 完
2012・2・28
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ