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ゲルググSEED DESTINY
第九十四話 遺伝子の支配
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実際にそう思っている。ミネルバ側のザフトは邪魔をするのでなければ連合の残党やオーブ、アークエンジェルに対して積極的に攻撃を仕掛けることはしていない。
連合の残党は少しでもザフトの勢力を殺ぎたい、或いはコーディネーターを殺したいのだろう。その為に不利な方は勝手に自滅すると判断して有利な方に攻撃をしている。
アークエンジェルはタリアにはその目的は良く分からないが、彼らなりに戦争を止めようという意志があると理解している。

「味方部隊に通達して。今の放送を行った彼らは目的はこちらと同じものであると判断し、こちらから攻撃を仕掛ける必要はないものとみなします」

つまり、味方だとは思わないが敵と認知するわけでもない。軍人らしい考えだろう。アークエンジェルや連合の残党とは違い、第三勢力としては見なさないが、かと言って擁護する気も更々ない。
判断が下されれば、兵士は理解は早い。上の命令には自身に疑念が生まれなければ従うからだ。そうして動き出そうとした中で、少し離れた場所にいる数機のMSや艦から通信が入る。

『――何――れは――――赤――巨―な――ウアァァァッ!?』

『こちら、ボーンステル!メサイアの新型のMSがこちらの船を……至急この戦域から離れてくれ!この船が落とされれば、次は貴艦が――――ッ!?』

その報告を最後に味方のローラシア級からの連絡も途絶える。同時にその味方が居た方角からも爆発が確認できた。まず間違いなく落とされたのであろう。

「ッ、艦長!戦域から離れるべきです!ミネルバは旗艦です!落とされれば部隊は崩れて敗北してしまいます。ボーンステルの犠牲を無駄にするわけには――――」

「アーサー、もう遅いわ……既に相手はこちらを捉えたみたいよ」

タリアが言ったように赤い機体がこちらに向かってくるのがうかがえる。

「は、早い!?もうこんな所まで!」

「アスラン、任せれる?」

『分かりました艦長。あの機体は俺が抑えます。ルナマリアとショーンを連れて先に!』

そう言ってセイバーが赤い機体と対峙する。ビームライフルを牽制として放つが、相手の速度は全く衰えることなく距離を詰めてきた。

『ミネルバに近づけさせるわけにはいかない!』

そう言ってセイバーはそのままビームサーベルを引き抜いて斬りかかる。しかし、敵はそれを急制動を掛けることで躱した。セイバーの攻撃は空振りに終わり、逆に反撃を受ける――――かに思えたがアスランはそのまま機体を前方に一回転させることで踵落としを決めるかのように攻撃を繋げた。

『流石だな、アスラン。君のそのセンスは素晴らしいものだと思うよ』

『その声は……議長が!?』

上からの蹴りは腕によって受け止められ、接触回線によって言葉を紡いだパイロットがまさか議長だ
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