第九十四話 遺伝子の支配
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誰であろうと構わない。利用できる相手はとことん利用する。そう思い、話しかけたのだが、返ってきた応えは随分と予想していたものと違っていた。
「やっぱりこの声――――フラガ少佐!」
『誰が少佐だ!つーか君何なの、いきなり?フラガ?俺はネオ・ロアノーク大佐だ!』
キラからしてみればストライクの操縦の癖や声から明らかにムウ・ラ・フラガ少佐にしか思えない。しかし、ネオからしてみればいきなり知らない赤の他人の名前を出され、しかも階級も少佐扱いと両者は共に困惑するばかりである。
『チッ、まあそんな事で時間を喰ってる暇はねえ!手伝わないっていうなら俺は先に行くぞ!』
だが、ネオとしてはそんな些事に気を取られるわけにもいかない。そう思ってネオはそのまま進行していき、キラは困惑しつつも目的が同じことから共に行くべきだと判断した。
『船が突破に成功するためには時間までにあのリフレクターを出してるリングを破壊しなくちゃならない。だが……間に合うか』
メサイアの攻略は元々三機と一隻では無理のあるものだ。だが、それでも致命打を与えるための策を考えていた。母艦をメサイアへと取りつかせた後にその母艦を自爆させるのである。ガーティ・ルーにはその為の核も搭載させていた。廃棄された月基地で拾ってきたものの中にはニュートロンジャマ―キャンセラーもある。そして、元々核動力機があったガーティ・ルーには核自体もあり余っている。
勿論、ミラージュコロイドで隠しているからこその策であり、クルーはメサイア到達前にランチで脱出しているはずだ。慣性によってメサイアへと突っ込む無人のガーティ・ルーは発見さえされなければそのままメサイアに特攻することになるのである。
『ま、やってみせるさ。なんたって俺は、不可能を可能にする男なんだからな』
ネオはそんな事を呟きながらメサイアへと向かっていく。策を成功させるにはまずメサイア周囲に展開されている陽電子リフレクターを破壊せねばならないのだ。ストライクは敵の攻撃を受けながらも戦線を突破しようと進み続けた。
◇
『――――よって、我らはその居城を破壊するためにこれより戦闘に対し、介入を行う』
「アメノミハシラ……オーブからある程度独立した組織だとは聞いていたけど、随分大胆な事をしにきたわね」
ミネルバの艦長であるタリアは開放回線で流されたアメノミハシラの放送を聞いて考え込む。彼らに対してどのように対応するべきか。味方というには立場はあやふやだろう。しかし、手を出さない、無視を決め込む、といった対応をするのも正しいかは怪しい。
「けれど、戦局を変えるにはその存在は大きいかもしれないわ」
少なくとも今現在において直接的に相対するような敵ではない。なら利用するべきだ。どの勢力も
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