第九十四話 遺伝子の支配
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戦場を駆け抜ける自由の名を冠した翼を持つ機体、ストライクフリーダムは敵を薙ぎ払いながら戦線を突破し続ける。ミーティアが無い分、殲滅力には欠けているが運動性・機動力の高さには目を見張るものがあり、キラの乗るそのストライクフリーダムを傷つける機体は未だにいなかった。
「あの機体は――――」
そんな中で、戦場を駆けていたキラはある一機の機体を見つける。その機体はかつてキラ自身も乗っていた機体であり、今自身が乗っている機体にも名が残っている――――ストライクだった。
「連合機!でも、一体誰が?」
連合の残党部隊が四散しつつも一部は独自に行動を起こして戦っていることは事前に知っていた。だが、目の前で単機で戦い続ける機体は明らかに常軌を逸している。実力は本物のエースだと言えるほどのものであるし、機体の性能も改良されているためか決して低いわけではないのだろう。予備バッテリーと思われるものがバックパックのストライカーパックに大量に積まれていた。
だが、何よりキラの目を惹きつけたのは機体の操縦だった。僅かな癖と言っても良い。それがあまりにもキラの知っている人の操縦に酷似し過ぎている。だが、彼はアークエンジェルを守るために盾となり散っていった筈の人物だ。
『グッ、こちとらまだまだやられるわけにはいかないんでね!せめて策が実るまでは!!』
違うのかもしれない。寧ろ違う可能性の方が高いだろう。だが、だとしてもキラは目の前で動いていたその機体を無視できなかった。ストライクを操縦しているパイロットがムウ・ラ・フラガであるという可能性が少しでもあるというのであれば黙って見過ごす理由などキラにはない。
「援護します!合わせてください!」
『なッ、フリーダムだと!一体どういうつもりだ!?』
驚愕しつつもその言葉を受け入れて咄嗟に合わせる。ストライクのパイロットであるネオは、それに奇妙な感覚を覚えるものの、目の前の状況に対処するためにストライクフリーダムとの連携を取った。
周りにいた敵部隊は一掃させられる。ザクはその手に持っていた銃火器やバックパックを破壊され、グフは両手両足を穿たれ、ゲルググは頭部やコックピットを貫かれる。ゲルググだけがコックピットを貫かれたのはそれらの機体だけはネオが落としたからだ。
(甘ちゃんめ……武器や手足を奪ったからと言って抵抗できないわけじゃないんだぞ)
内心でそう思いつつも目の前の圧倒的とも言える動きを見て敵に回すのは得策ではないと思い、一応は救われた側だという事も含めて、ネオは相手にそのことを追求しようとは思わない。いや、そんな些事にかかわっている暇はないからだ。
『フリーダムのパイロット、目的は同じメサイアか?なら手伝え!あの要塞の防御を破壊するんだよ!!』
ネオからすれば相手が
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