暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
05.真祖の覚醒
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 暁古城は、かすかな波の音と薄闇の中で目を覚ました。
 コンクリートの上に横たわってるせいか、投げ出した腕が冷たい。
 だが、寝心地の良い、頬に心地よい温もりが伝わる。

「先輩……そろそろ起きてもらえませんか?」

 不意に古城の頭上から声がした。どこか拗ねている雪菜の声だ。

「悪い……あと五分」

 夢を見ているような気分。頭を包み込むような、柔らかな温もりから離れたくない。
 まったく、と薄いため息が頭上から聞こえる。

「もういっぺん死んでこい」

 雪菜ではない声に薄目を開けようとすると同時に腹部に衝撃が走る。それとともに古城は一メートル弱飛ばされる。

「痛て! なにしやがんだ!?」

「ようやくお目覚めか、変態真祖?」

 腹部を押さえながら膝立ちをし、古城を吹き飛ばした人物が誰であるかを確認する。
 そこには古城のクラスメイトであり、吸血鬼の少年、緒河彩斗がいた。

「なんでお前がここにいるんだ、彩斗 」

「俺のことよりもお前は先に姫柊に言うことがあるだろうが」

 彩斗の言葉に今まで何があったのか思い出す。製薬会社の研究所で古城と雪菜はオイスタッハたちと遭遇し、そこで雪菜を庇おうとした古城は戦斧の攻撃を受けた。
 その一撃は吸血鬼といえど、生きていられる負傷ではなかった。

「そうか……俺は死んでたのか」

「はい」

 その時の光景を思い出したのか、雪菜は唇を噛んだ。そして、また泣きそうになりながら口を開く。

「先輩が死んだあと、しばらくしたら傷が勝手になおりはじめたんです……飛び散った血も、まるで時間を巻き戻したみたいに戻ってきて……」

「で、そのまましばらく寝ててさっきの彩斗の蹴りにいたるってわけか」

 少しまだ痛みが残る腹部を押さえ、その後右肩を押さえ、古城は訊いた。半月斧(バルディッシュ)に切断されたはずの肩はかすり傷ひとつ残ってない。
 さすがも服はそのままだが。

 傷の具合を確かめように指を動かす古城を、雪菜が睨みつける。

「生き返るなら生き返るって、最初に言ってから死んでください。わたしがどれだけ心配したと思ってるんですか……!」

 いやそんな無茶苦茶な、と反論しかけたが今まで雪菜が古城が復活するまでそばにいてくれた。
 涙目の雪菜に古城はため息をつく。

「心配かけて悪かったよ。だけど俺も知らなかったんだ。アヴローラのやつがいってたのは、こういうことだったのか」

「アヴローラ? 先代の第四真祖が、なにを……?」

「ああ……真祖にとって不老不死は、権能なんかじゃない。ただの呪いだって」

「呪い?」

「真祖は死ねない。心臓を貫かれても、頭を潰されても生き続ける。そうい
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