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IS 龍咲桜子の虚実の日々
IS学園 入学初日 一
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 そんなこんなで一夏の自己紹介はいつの間にか終わってしまいました。"生身でISを打倒する術"が引っ掛かった子もいたようで、聞きたそうにしている子や、世迷い事を、と馬鹿にしたような子も見受けられましたが、次の子に移ったおかげで追及されることはなさそうです。少なくとも今この場に関しては。
 ……口止めしなければ勝手にしゃべってしまいそうですね。これはちゃんと話しておく必要があるようです。はぁ、本当はあまり関わり合いになりたくはなかったのですが仕方ありませんね。そもそも同じクラスになった以上、関わらないというのは土台無理な選択でした。ここは腹をくくるしかないでしょう。
 そんなことを思っている間に私の順番になりました。「わ」たなべさんや「わ」ださんなどはこのクラスにいないので、「り」の私がトリのようです。

「私は龍咲さく――」
「桜華っ!?」

 立ち上がった私の顔を見た途端、一夏ががたんと椅子を倒して勢いよく立ち上がりました。まったく、自己紹介くらい黙って聞いてほしいものです。

「違います。私の名前は桜子です」
「いやそれはお前が女装する時の名前だろっ! 生きてたんなら連絡しろよっ! っ、そうだ怪我はっ!? 生身でISに殴られたときの怪我はもう大丈夫なのかっ!?」

 …………他人の重大事をこんな教室の中でぺらぺらと……っ! 失言が多い男だとは思っていましたがここまでとは……っ。
 一夏の言葉のせいで教室中がざわめいています。一夏は"女装"と言いました。女を装うという言葉なのですから、つまり私が男性だと一夏は言っているということになります。そしてもう一つの"生身でISに殴られた"。現在ISは基本的に競技用ということになっています。スポーツです。建前でしかないかもしれませんが、それでもスポーツなのです。それが人を殴った? それも生身の人間を? それが本当であれば一大事です。一夏が無意識で投げ入れた火種はクラスの中で好奇心という薪に火をつけて私にとって不都合な形で燃え上がってしまいそうな気配がします。
 この場を治める方法は………… っ、一つ思いつきましたが、これは…… いえ、考えている暇はありません。私が悩んでいる間にも私に対する疑念は大きくなってしまう。直ちに実行です。
 私は「なんで二年も連絡をくれなかったんだ」などと言っている一夏に、つかつかと近づいていきました。

「桜華、お前は――」
「少し頭を冷やしましょう」



 ふにょん



 素早く一夏の手を取って、私のおっぱいに押し当てました。



「え」
「え?」
「……へ?」
「「「「「ええええぇぇぇぇっっっ!!!!????」」」」」



 一夏からの又聞きよりも目の前でインパクトのあることをすればその前に起きたことの印
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