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遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン28(裏) 愉快なトリックスターと人工生命
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しでも奴にダメージを与えようとしてんだろう』
「だったら、なおさら……」
『だーかーら、やらせてやれって。そこまで言うなら聞いてやるけど、もしお前があの立場ならどうするってんだ?』

 そう言われると、一瞬でそんな状況のイメージが思い浮かんだ。

「………耳栓詰めて聞こえないふりしてコンマ1秒でも早く立ち上がって元気いっぱいに見えるように手を振ってる僕が見える」
『お、おう。まあそういうことだ』

 そう言われると何もできない。だって、たぶん僕が同じことをしてるなら絶対に止めてほしくない、むしろなにがなんでも中途半端なところでは止めさせないだろう。なら、せめてしっかりと見ていよう。お願いします、稲石さん。

「……続ける、よ。自分は今の攻撃でダメージを受けたから、手札のゴーストリック・マリーの効果を発動………自分がダメージを受けた時にこのカードを手札から捨てて、デッキからゴーストリックモンスターを裏側守備表示で特殊召喚。おいで、ゴーストリックの魔女………!」

 ボワン、と煙を立てて銀色のクロッシュが1つ、ふわふわと宇宙に浮く。ゴーストリックの魔女、でもいまさらあのカードを出してももうできることなんてないんじゃ。

「お前が捨てたゴーストリック・マリーもまたマクロコスモスの効果を受ける。したがって原始太陽ヘリオスはさらにその輝きを増していく。ターン終了だ」

 原始太陽ヘリオス 攻1900→2000

 フード LP4000 手札:1
モンスター:原始太陽ヘリオス(攻)
魔法・罠:マクロコスモス
     2(伏せ)

 稲石 LP100 手札:0
モンスター:???(ゴーストリックの魔女・セット)
魔法・罠:なし

「自分のターン、これが最後のドロー……ッ!」
「待て!この瞬間にトラップ発動、バトルマニア!このカードは相手のスタンバイフェイズにのみ発動ができ、相手のモンスターをすべて表側攻撃表示にしたうえでこのターンの攻撃を強制的に行わせる!」

 クロッシュを勢いよく宇宙の果てに蹴飛ばして、強制的に叩き起こされたいかにも元気そうな顔の金髪魔法少女が幅広の魔法使い帽をくいっと頭に合わせる。若干寝癖がはねているもののその自信満々な表情は、まるでこの状況を自分の力でどうにかできる、と語っているようにも見えた。

 ゴーストリックの魔女 攻1200

「そしてモンスターカード、Ghostrick Ghoul…………まあゴーストリック・グールを召喚!」

 ゴーストリック・グール 攻1100

 稲石さんがラストドローで引いたカードは、デフォルメされてはいるもののゴーストリックでは珍しいおどろおどろしい系の見た目をしたゾンビモンスター。どれくらいおどろおどろしいかというと、味方のはずの魔
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