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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八十四話 フェザーン謀略戦(その6)
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バイク公が問いかけました。視線が厳しいです。
『レムシャイド伯爵、卿は自分の意志で我らを呼び出したのか? それとも誰かに強制されたのか?』

「自分の判断です。我々は協力し合わなければならない状況に有ります」
『協力だと、何を馬鹿な』
リッテンハイム侯が吐き捨てるように言い捨てました。

『あー、ヴァレンシュタイン中将、君は強制されているのかな?』
「そう見えますか、委員長閣下」
『……いや、そうは見えない』
「御不審はごもっともです。これからある映像を流します。それを御覧いただければレムシャイド伯と小官が何故協力しているのか、理解していただけると思います」

そう言うとヴァレンシュタイン提督は私に右手を挙げて合図しました。録画した映像を流し始めます。あの執務室での一部始終がスクリーンの一角に流れ始めました。スクリーンの四人は最初、詰まらなさそうに見ていました。コーネフ船長も似たような表情をしています。彼らの表情が変わったのは地球の話が出てからでした。

『そうです。そして彼らは考えた。フェザーンに中立の通商国家を造り富を集める。その一方で同盟と帝国を相争わせ共倒れさせる。その後はフェザーンの富を利用して地球の復権を遂げると』

『馬鹿な……』
『有り得ない……』
『地球……』
『信じられん……』
皆スクリーンに流れる提督の言葉に愕然としています。そして話が進むにつれ蒼白になって黙り込みました。コーネフ船長は頻りに首を振っています。

「船長」
「なんだ、マリネスク」
「他の宇宙船から問い合わせが……、あれは真実かと」
マリネスク事務長がスクリーンに視線を向け困惑気味にコーネフ船長に問いかけました。コーネフ船長がこちらを見ました。コーネフ船長にも判断がつかないのでしょう。

「真実ですよ、コーネフ船長」
ヴァレンシュタイン提督が笑いながら答えるとコーネフ船長は忌々しそうな表情をしました。
「マリネスク、全部真実だと答えろ」
「分かりました」

「ミハマ中佐、映像を止めてください」
え、止めるの、そう思いましたがもちろん逆らったりしません。素直に映像を止めました。逆らうなんてトンデモナイ。大魔王様が降臨してしまいます。そうなったら私は忠実な眷属に変わらなければなりません。……あれ、今でも余り変わらない?

『何故止める』
『これで終わりという訳ではあるまい』
当然ですがスクリーンから映像を止めた事に対して抗議が起きました。皆が不満そうな表情をしていますしレムシャイド伯も訝しげな表情を見せています。

「終わりではありません。続きはお見せします。ですがその前に我々の安全を保障してください」
『安全だと』
ブラウンシュバイク公です。うん、渋い。

「我々はフェザーンではお尋ね者で
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