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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
二章
報告×追っ手×保護
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な武士だ・・・・と粋がるのならば、せめて上下の区別や、その言葉の意味ぐらい把握してしかるべきかと」

「な、何を・・・・っ!」

「ああ、今、勝手に刀を抜けば、あなたの言う『上意』をあなた自ら覆す事になりますよ?下である私はまだ『選んでいない』のですから」

「・・・・・っ!」

「やれやれ。言葉の持つ意味も理解せず、感情や目先の利益だけで動く。それで武士だとは良く言ったものです。そもそも今回私が企て実行してみせた稲葉山城乗っ取りは、多くの長井一族や貴女・・・・斉藤飛騨など、武士だ武士だとさえずりながら、君寵をカサにやりたい放題だった者の炙り出しと、龍興様をお諫め致すため。この竹中重治、私利私欲で動いた訳でもない」

「私利私欲で動いてないから許せとでも言うのか!」

「許す必要はないでしょう・・・・しかし、諫言する部下を受け入れず、排除しようとする君に、命を賭する武士などいない。まあ・・・・果たして私の心が君に伝わっているのか、不明ではありますが」

「伝わってなど!我が君は今回の竹中殿の所行をいたくご不快に感じている由。必ずや竹中重治の腹を切らせよとご下命をくだされた!」

「ふむ。ならば貴女が先程言った『私に頸を刎ねられるか』という言葉はおかしい。上意を捏造したと自ら認めた事になるのですが?その返答は如何?」

「・・・・・・・・・・・・・・!!」

「国の事、君の事を己が支えるのだ、という当事者意識もなく、ただ国に、君に依存し、己の保身しか考えていないから、言葉というものを軽々しく捉えるのです。全く・・・・度し難く愚者だと思っていましたが、まさかこれ程とは」

「え、ええいっ!黙れ黙れ黙れ黙れ!罪人が偉そうに説教される覚えはないわ!」

「やれやれ。開き直りましたか。まあ小悪人の末路はいつしも同じようなもの。これで美濃は織田の手に落ちたと同然、ですか・・・・」

「語るに落ちたり竹中重治!既に織田の内通しているとみた!私はそう見た!ここに居る全ての者が証人であるぞ!むざむざ織田に奔らせはせん!皆の者、斬れ!斬り捨ててしまえぃ!」

「はっ!」

「愚者の相手は疲れますね。・・・・もし内通していたのだとしたら、稲葉山城を君に返上せず、そのまま織田に奔らせていたでしょうに。そんなに自明の理も分からないとは、愚者は愚者。愚君は愚君と言う事でしょう。滅びるに致し方なし・・・・」

「例え我らが滅びようとも、貴様の息の根を止めてやる!」

「故郷の命運と己の命運を同じに捉え、小事に拘る事でしか己の表現をできないとは・・・・何と可哀想な人か」

「ううううるさい!皆の者、やれ!」

「おうっ!」

斬りかかってきた足軽を避けた詩乃だったが、今の詩乃は逃げる事しかできない状態。


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