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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
2:帰り道
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してしまったとしても、惨事の情報は広く浸透しているので、その者はスロットにセットすることなく永久に封印しているであろう。というのはエギルの言葉だったが……ここに来て、イレギュラーが頭角を現した訳だ。
 知ってか知らずか、この怪奇なタブーをものともせず《大鎌》を振るう謎のプレイヤー《死神》。
 《大鎌》のバグの真相は何なのか。
 何故ヤツはその怪死を免れているのか。
 さらに……これらを話し込み過ぎて、酒場では話題に上らなかったが……《死神事件》話の中にあった、ヤツがやってのけた『見た事も無いほどの激しいステータス上昇エフェクトを迸らせ、HPバーまでもが見る見るうちに右端まで全回復した』という、一見チートにも程がある芸当も、俺はずっと喉に引っかかっていた。
 他にも問題が山積みだ。……まさに謎が謎を呼ぶ展開である。

「……ハァ、俺は探偵かよ。……もう今日はヤメだ、ヤメ」

 俺は天井を眺めていた目を瞑り、眉間に指を当て、疲れ果てて頭痛がしてきた頭を軽く左右に転がした。
 《ミストユニコーン》。 《大鎌》。 《死神》。
 何度も出てきたこれらのキーワードには謎が多すぎた。それらから派生する数多の問題と怪奇もまた同様だ。
 きっとこのまま進めば、モンスターや迷宮よりも困難で手強いかもしれない、コトの大きさすら知れぬ謎が俺を待っているのだろう。

「……ま、全ては明日から……だな」

 俺は目を開け、窓から零れる月光が指す洋紙の地図を覗く。そこには赤のインクで記された×印がある。他でもない、ユニコーンが発見されたという場所だ。
 そこは……



 ――アインクラッド第五十二層。 通称《薄光の森》。
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