バトルロワイアル 桐山和雄の章 第9話〜第11話
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豊「あぁこれかい? これは皆を守る為に
必要な物なんだ」
だが帰ってきた答えは飯島の予想外の答え
だった
何事も強く断る事の出来ない豊の事だから
てっきり良いように押し付けられたのだと
思ったが豊は晴れ晴れとした笑顔ではっきりと
言ったのだ
飯島「だからと言ってさ、お前がそんな事する
必要ないんじゃないか」
飯島は今までの沈みこんだ気分を紛らわせる為
冗談まじりでそう言ったが返ってきた答えは
又しても予想外の答えだった
豊「駄目だよ……もう逃げる訳にはいかない
んだよ………飯島」
飯島「……豊?」
豊「もう逃げる訳にはいかないんだよ飯島」
豊の真剣な表情に飯島は聞き入っていた
豊「この島に来てから僕は逃げてばかりだった
あの呼びかけの時だってそうだった」
飯島「…………」
豊「友美子さんと雪子さんが川田章吾に
撃たれてそれを守ろうとした月岡も殺されて」
飯島「ハァッ!? 本当かよそれ!?」
豊「僕はそれを助けようともしないでただ
見てただけだった、月岡は身を挺して二人を
守ろうとしたのに、僕は怖くて怖くてただ
震えてただけだった」
飯島「……豊」
ジャリ
「・・・」
予想だにしなかった真実に飯島は言葉も無く
聞き入っていた
豊「杉村は月岡を看取ったのに、それなのに
僕はそれすらもしないでただ逃げ出したんだッ!」
ギリッ ポタポタ
飯島「………豊」
「・・(豊)・・」
豊「だから………だから僕はもう逃げない
もう逃げる訳にはいかない あの時逃げ出した
弱い自分から卒業するんだ!!」
飯島「……豊……お前」
豊「僕は戦うッ、皆を守る為に 一緒に帰る
為に!! もう弱い自分には戻らないッ
僕は戦う、僕が僕である為にッ、僕が僕に
なる為に!!」
ポタッ ポタッ
飯島「………豊ァ」
「(お前は弱虫なんかじゃないさ)」
豊「そして絶対に皆と一緒に帰るんだ!!
そして胸を張って生きて行くんだ!!」
飯島「……弱い自分には戻らない…か……」
飯島の脳裏に以前三村信史が上級生に絡まれた
時に自分一人逃げ出してしまった苦い
記憶が蘇る
飯島「……そうだな………もう、逃げる訳には
いかないよな」
ポタッ ポタッ ポタッ
飯島は何時のまにか泣いていた
豊「飯島ッ、一緒に行こう!一緒 に戦
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