過去の思い出
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ながら答えてくれた。
「レイトさんのパーティでの動き方が異様に慣れてるように思ったんですよ。前にだれかとパーティを組んでたのように、連携うまかったですし」
なるほどね。確かに俺は、ユニークスキルなしでは、パーティでの戦闘の方が得意だ。
「ま、昔、パーティを組んでいた時があってな。その時の名残かな」
あのパーティに俺が入っていた頃は、この世界で最も楽しかった頃と行っても過言ではないだろう。もちろん今の生活も楽しいが、あそこにはそれ以上のものがあったと、俺は今でもそう思える。それと同じくらいに最も辛い頃でもあったが。あの頃は・・・いや、今はこれ以上は思い出さないほうがいい。
「ま、この話はまた今度で」
珍しく俺が話題を無理やり切ったを見て、シリカはそれ以上深く聞いてきたりはしなかった。
「いいですよ。誰でも話したくないことの一つや二つはあるでしょうし。さ、早く行きましょう」
「すまんね」
深い詮索をしないでくれたシリカに感謝しながら、俺は歩き始めた。
クエスト自体はそれから1時間程度で終わった。4つ目のスイッチを押して、今は始まりの町にいた依頼者にクエスト報告をしていた。
「おお、やってくれたか!これでこちらも研究ができるわい。これは報酬だ、持って行ってくれ」
この依頼者というのが、エギルもかくやという位のめちゃくちゃ体がゴツイおっさんなのだが、この体格で研究者とは・・・。いったい何を研究しているのか疑問に思ったが、下手に聞かない方がいいだろう・・・。
外にでて、先に終わらせて待っていたシリカに話しかける。
「シリカは何出た?」
このクエスト、基本報酬は確定ながらも、そのほかにランダムでアイテムが1つ出るのだ。一種のくじ引きの様なもので、初心者御用達の消費アイテムから、珍しいのでは中層あたりでも全然使える装備なども出ることがある。これがクエスト参加者全員に出るから、なかなか美味しいクエストと言える。
「私は、《月の欠片の指輪》でしたよ!」
「うそっ、マジで!?」
《月の欠片の指輪》は装備すると、体力が減っているとバトルヒーリングには及ばないものの、戦闘中、徐々に体力が回復するという永続回復ができるアイテムで、その他にもレベルアップ時に自分で振れるパラメータが1上がるといったおまけのような効果もついている。この指輪はこのクエストで出るアイテムの中でも、かなり確率が低かったはずだ。
「マジですよ、マジ。ほら!」
シリカはそういうと早速、指輪をオブジェクト化させて自分の指にはめた。俺は改めて、シリカの運の高さに驚かされた。
「むぅ、いいなぁ」
「こればっかりは運ですからね。レイトさんは何でした?」
うれしそうにピナとはしゃいでいるシリカを見
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