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この夏君と・・・・・・
風紀委員
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「梢ちゃん?」
 
 夏目は梢の言葉をさえぎった。あまり時間を無駄にしたくないのだろう。

「ほら梢、夏目が痺れを切らしてるから早く本題に入りな」
「うん、そうする! 先輩、いろいろ説明することがあるから委員会室に行こっ」

 だからお前はため口きくなって。
 夏目は梢の申し出に応え、教室を去った。
 残された俺はふと思った。
 自分の席に戻って思ったことを健太に聞いてみた。

「なあ健太、風紀委員の仕事ってなんなんだ?」
「学校の風紀を守るんじゃないの?」

 健太は不思議そうな顔をして答えた。

「疑問符で答え返すなよ……お前も風紀委員なんだから」
「はいはい。学校の風紀を守るのが仕事だよ」
「俺、お前らが活動してるとこ見たことないんだけど」

 それが俺が不思議に思ったことだ。
 よくよく考えると風紀委員はだれかが喧嘩をしているところを見ても、ポスターに落書きがされているまさにその現場を見ても、何も対応をしていないのだ。
 すると健太は一瞬真剣な顔になり、そのあとすぐいつものちゃらけた顔になってこう言った。

「まあ俺たち風紀委員は少し特殊だからねえ。まさに縁の下の力持ちって感じで活動してんのよ」

 なーんか、怪しいなあ。
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