レムの塔〜
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「う・・・」
ゆっくり目を開く。ここは・・・
「ファブレ家の屋敷・・・?」
俺は起き上がり、体を見渡す。・・・どうやら傷は治ったみたいだ。
「サキ!」
すると、不意に誰かが飛び込んできた。
「あ、アリエッタ?」
「目が覚めてよかった・・・サキ、大丈夫?」
「あ、ああ。もう平気。・・・あの後・・・」
「えっと・・・ユリアシティで何かの話をして、それでバチカルに来ることになって・・・よく分からない」
「分からないって・・・」
「アリエッタ、ずっとサキといたから・・・」
「・・・そっか」
アリエッタの頭を撫でる。アリエッタは笑顔になりながら俺の胸元に顔を押しつける。
「アリエッタ・・・」
その時、扉が開いて撫子が入ってきた。
「あ・・・」
すると撫子は不機嫌そうになり、俺に近づくと・・・
「無茶しすぎです!!」
・・・大声で怒鳴った。俺はしばらく撫子に説教される。
「ーーーーーなんです。聞いてますか!?」
「は、はい・・・ごめんなさい・・・」
「愛依がいたらもっと長引くでしょうが・・・ここまでにします。ですが、次にまた無茶をしたら・・・」
「したら・・・?」
「シィさん達に女装写真をばらまきます」
「心の底からすみません!!」
取り敢えず、アリエッタを降ろして俺も立ち上がる。
「(ビキキッ)ーーーーー!・・・ふぅ」
筋を伸ばして今度は曲げる。
「詳しい情報を頼めるか?」
「分かりました」
・・・撫子が言うには、大量に作られたレプリカが世界中に現れ、混乱を起こしているらしい。だが、そのレプリカ達は全員レムの塔へ向かい始めている。そしてインゴベルト陛下にラルゴのことを話し、今は会議のスケジュールを合わせる為にみんなが別行動を取って、ルーク等はここで一晩過ごすようだ。
「なるほどな。んじゃ、今はフリーな訳か・・・まあ、取り敢えず外に出るか」
「そうですね」
そう言って歩き出そうとした時・・・アリエッタが俺の裾を掴んだ。
「え、えっと・・・」
「・・・よし」
俺はアリエッタの脇に手を回し、首もとに乗せる。
「高い高ーい」
「さ、サキ!?」
「ほら、しゅっぱーつ!」
「・・・ふふ」
アリエッタが笑った。俺はそのまま外に出て・・・後悔した。
「咲・・・誰だよ、お前」
「ロリコン・・・いや、シスコンだったか・・・」
黒羽と知也が冷たい目で俺を見ていた。そりゃもう、冷や汗がでる位に。
「・・・か、家族は大事だよね・・・」
『咲さん・・・視線が逸れてるッスよ・・・』
それが、俺が唯一発した言
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