暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
レムの塔〜
[1/8]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「う・・・」

ゆっくり目を開く。ここは・・・

「ファブレ家の屋敷・・・?」

俺は起き上がり、体を見渡す。・・・どうやら傷は治ったみたいだ。

「サキ!」

すると、不意に誰かが飛び込んできた。

「あ、アリエッタ?」

「目が覚めてよかった・・・サキ、大丈夫?」

「あ、ああ。もう平気。・・・あの後・・・」

「えっと・・・ユリアシティで何かの話をして、それでバチカルに来ることになって・・・よく分からない」

「分からないって・・・」

「アリエッタ、ずっとサキといたから・・・」

「・・・そっか」

アリエッタの頭を撫でる。アリエッタは笑顔になりながら俺の胸元に顔を押しつける。

「アリエッタ・・・」

その時、扉が開いて撫子が入ってきた。

「あ・・・」

すると撫子は不機嫌そうになり、俺に近づくと・・・

「無茶しすぎです!!」

・・・大声で怒鳴った。俺はしばらく撫子に説教される。

「ーーーーーなんです。聞いてますか!?」

「は、はい・・・ごめんなさい・・・」

「愛依がいたらもっと長引くでしょうが・・・ここまでにします。ですが、次にまた無茶をしたら・・・」

「したら・・・?」

「シィさん達に女装写真をばらまきます」

「心の底からすみません!!」

取り敢えず、アリエッタを降ろして俺も立ち上がる。

「(ビキキッ)ーーーーー!・・・ふぅ」

筋を伸ばして今度は曲げる。

「詳しい情報を頼めるか?」

「分かりました」

・・・撫子が言うには、大量に作られたレプリカが世界中に現れ、混乱を起こしているらしい。だが、そのレプリカ達は全員レムの塔へ向かい始めている。そしてインゴベルト陛下にラルゴのことを話し、今は会議のスケジュールを合わせる為にみんなが別行動を取って、ルーク等はここで一晩過ごすようだ。

「なるほどな。んじゃ、今はフリーな訳か・・・まあ、取り敢えず外に出るか」
「そうですね」

そう言って歩き出そうとした時・・・アリエッタが俺の裾を掴んだ。

「え、えっと・・・」

「・・・よし」

俺はアリエッタの脇に手を回し、首もとに乗せる。

「高い高ーい」

「さ、サキ!?」

「ほら、しゅっぱーつ!」

「・・・ふふ」


アリエッタが笑った。俺はそのまま外に出て・・・後悔した。


「咲・・・誰だよ、お前」

「ロリコン・・・いや、シスコンだったか・・・」

黒羽と知也が冷たい目で俺を見ていた。そりゃもう、冷や汗がでる位に。

「・・・か、家族は大事だよね・・・」

『咲さん・・・視線が逸れてるッスよ・・・』


それが、俺が唯一発した言
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ