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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十六話『新たな約束』
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度が、他の年上の人物よりもかなり柔和だからである。
もっともこの二人は、修夜を越える実力を兼ね備えた、“世界一おっかない美女”とも言い得る強烈な人物たちでもあるのだが。
(それでもなぁ、修夜の場合“あの人”には、すご〜く甘いからなぁ……)
実は修夜には、先の二人を超して“対応が甘くなる人物”がいる。
一夏はそれを知るが故に、どうしても黛の記事を否定しきれずにいるのだ。
何よりその人物を含めた三人には、『年上・美女・スタイル抜群』という、紙面の文面に真実味を与える共通項が存在している。
「今回は諦めて、みんなが忘れるのを待ったらどう? 人の噂も七十五日っていうし」
「待てるかっ、さっき二年の先輩の集団に追いかけ回されたばっかりなんだぞっ!?」
「えぇぇ……」
いつになく平静でない修夜の態度に内心で戸惑う一夏だが、その原因が白夜にあることは薄々だが感じていた。
愛情表現として弟子を弄り倒す、それが白夜の日課である。
そんな弟子馬鹿な白夜の人柄を知るが故に、諸事においていまいち鈍い一夏でも、修夜が我が師の悪ふざけに頭を抱えているのが理解できたのだった。
(修夜、この先どんだけ持つだろう……)
一夏がそんないらぬ心配をするのは、鈴との保健室での対談を終えた直後に原因があった。

――――

一夏を蹴り飛ばし、保健室に戻った修夜が見たのは、依然としてグズグズの雰囲気を引きずる微妙な表情の一同だった。
何とも言えない雰囲気の中、とりあえず鈴に伺いを立ててみる。
鈴の方はというと、「期待したあたしが馬鹿だった」と返事したまま、ぐったりとしていた。
コンソールにも部屋の隅でうずくまる箒と、それに寄り添うセシリアの姿が、画面の隅にチラッと映っていた。
「……とりあえず、この話はここで切ろう。部屋割りの件は、また後日だ」
頭をかきながら溜め息をつく修夜に、一同は無言で同意するのだった。
しかし修夜には、もう一つ片付けるべき件がこの場に存在した。
「あと師匠、……その女の子は誰なんですか?」
それは白夜の背後にぴたりと引っ付く、小さな影。
実は鈴との対談向かう時からいたのだが、ツッコミ担当の修夜をして、なんとなくツッコミづらい雰囲気を相手から醸されてしまい、今の今まで様子見をしていたのだ。
腰まで届く銀髪、宝石のように赤い紅茶色の瞳、人形のように整った愛らしい顔、どことなく掴みどころのない不可思議な気配。
鈴との会話中も、修夜が一夏を蹴り飛ばした時も、少女は白夜に寄り添って微動だにしなかった。
修夜に問われたことで、ここでようやく白夜が小さな少女について語りはじめた。
「こやつの名は【紅耀(くよう)】、わしが昨日までの旅の道中で拾った子でな。身寄りもないうえに、身の上が少しばかり複雑なんで、引き取って面倒を看ることにし
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