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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十六話『新たな約束』
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性と持てる資料の一切を開示し、取材資料の譲渡を願い出た。
自身がそれをもってして、道連れ覚悟で清を引きずり落とす計画も、何もかもを明かして……。
「家族や知人を人質に脅されるならどうぞ、本より不徳によって地獄に堕ちる覚悟は既にあります。刺客もどうぞお寄越しくださいませ、もっともIS学園内で不審死が起これば、おのずと問題も明るみになりますが。それからこの一件はもう、握りつぶすには遅いかと。何せ織斑千冬教員が学園側に通達し、彼女に証人となってもらえるよう、了承を得ています。彼女の権限を、一教員と同等と見做すのは不当ですよ?」
覚悟も、決意も、態勢も、楊は完全に固めて来ていた。
今さら即刻の解雇を言い渡したところで、それが承認される頃には委員会に告発が届いている。元世界最強(ブリュンヒルデ)の擁護を得て一度告発が届いてしまえば、腰の重い委員会でも動かざるを得ない。
逃げ道があるとすれば、清周英にことの責任の一切をなすりつけ、競技会から一方的に追放する、その一手のみ。
やむを得ない犠牲だと、放埓な実験者の蛮行に目をつぶり続けてきたツケが、いま目の前で返ってきたのだ。
「長官、ご返答を」
これまでにない冷血な表情で迫る部下に、長官は歯噛みするばかりだった。

――――

修夜と鈴の試合からおよそ五日後の昼過ぎ、IS学園はいつものような平穏を――

「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁあっ!?」

……取り戻してはいなかった。
「おい、一夏。これは一体何なんだ!?」
大声で叫ぶ修夜が手にしていたのは、クラスメイトがたまたま入手した校内新聞だった。
入手したクラスメイトが、記事の真偽を問うために修夜に持ってきたのだ。
新聞の編集・刊行の責任者は、あの黛薫子だ。
一面と二面は先日の試合を大きく報じているのだが、問題は四面の隅に描かれた「ちょびっとスクープ」という小欄のコーナー記事だった。
『新事実!? 期待の新星はお姉様がお好き!』
そう題された記事には、修夜自身を弄り倒すような内容が書かれていた。しかも取材協力者に“噂の美女B女史”という、どう見ても白夜と思しき後ろ頭の写真が掲載されている。
「何って……、ゴシップ記事だろ?」
机に頬杖を突きながら、何とも言えない表情で一夏が受け答えする。
「ゴシップだろうがなんだろうが、何で師匠があの副部長に協力してんだよ!?」
「知らないよ、そこまでは!?」
完全に八つ当たりな修夜の質問に、さすがの一夏もツッコミを入れる。
(そもそも、記事の中身が何とも言えないから、どうしようもないというか……)
記事は四百字程度の短いものだが、それを要訳すると『修夜は年上のグラマラスな女性が好みである』という風に書かれているのだ。
そして一夏がこれを否定しきれないのは、現に千冬と白夜に対する態
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