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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十四話『雲を裂いて』
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、肌は陶器か雪のように白く、髪は見事なまでの銀色。
特にその金色(こんじき)の瞳に、心まで引き寄せてしまいそうな磁力を少女は感じる。
驚いた端から今度は魅了される黛を、麗人は魔の瞳を介して見つめ続ける。
「……で、何の要件で付けておった?」
麗人は笑みは崩さないまま、その声色に背筋に伝うものを含める。
「あ……、あっ、はい。私IS学園新聞部副部長の黛薫子と申します!
 実は今あなたのことが学園の噂になっておりまして、出来れば取材なんかを少々……」
ぞくりとする感覚で夢から目覚め、黛は弾かれたように、立て板に水で用件を話す。
その中身を記録しようと、片手には最近買った最新式のUSB接続式マイク型ボイスレコーダーを握り、戦闘態勢を整える。
すると麗人は、にこやかな笑みを浮かべながら、
「そうかそうか……。貴様が馬鹿弟子の言っていた無礼千万な阿呆か、それはよかった。
 一度きっちり、色々と話しておきたかったからのう……!」
背筋も凍る未知の黒いオーラを発して、黛にじりじりと詰め寄って来た。
(……私、死んだ)
少女は本能的に自分の死を悟り、何もかも真っ白になるのを体感していた。
――せめてイケメンの彼氏をつくって、イチャイチャしてから死にたかったな……。
そんなことをぼんやりと思いながら、迫る美女型の殺意に詰め寄られる黛だった。
しかし……、
「……待て、お前さん“新聞部”で、取材は十八番なんじゃな?」
「…………ぇ、ぁ……は、はい……!」
麗人は何を思い至ったのか、先ほどまでの殺意をあっさり引っ込め、黛を問いただしはじめる。
突然の変化に少女は混乱し、とにかく「はい」の返事だけが口から飛び出す。
「そうか……」
納得した麗人は、自分を見つめたまま何やら腕を組んで試案をはじめた。
怒ったかと思うと、今度は自分の立場を問いただし、何かを考えだす。
まるで意図が掴めないが、自分の生殺与奪の権利がまだ握られたままなのは変わりない。
信心深い方ではないが、黛もこのときばかりは、神に采配の奇跡を願うばかりだった。
寸の間の沈黙と思考の後、麗人は腕を解いてまた少女に微笑みかけた。
「黛といったか、わしは夜都衣(やとい)白夜(びゃくや)というものじゃ。
 もし今からわしのやることに付き合うてくれるなら、お前さんの望み聞こうではないか」
自らを白夜と名乗った麗人は、黛に不思議な提案を持ちかけた。
乾坤一擲(けんこんいってき)……という風ではあるが、実際の選択肢は皆無に等しい。
従えば目的は達成できるが、何を頼まれるかまったくわからない。だが拒めば最悪の場合、自分は明日の朝日どころか、今日の夕日すら拝めずに人生が終わる危険がある。
(も……、もうこうなればヤケよっ!)
とてつもなく理不尽な一択に、黛はすべて
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