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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十一話『雨』
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、かなりシンプルといえる。
そのシンプルさゆえに、戦闘に必要な最低限の武力しかなく、何の特色もないがために、機体の強さは操縦者の技量にすべて反映されることになる。
だがこの白亜の獅子も、何の理由もなく身軽に出来ている訳ではない。
〔そもそも『ゼファー』は、後付装備(イコライザ)による調整を前提とした、いわば“普通のIS”としてのエアリオルの形態なんだよ〕
エアリオルは機体の武装も装甲も、機能や特質さえも全部ががらりと変わる、『ASBLシステム』と呼ばれる驚異の瞬間換装機能を有している。
これは平たく言えば、元から数機分のISの装甲と武装を拡張領域に搭載し、それらを特殊なプログラムを用いて装甲同士と武装同士をデータ連動で接続させておき、その接続に対応している装甲と武装を瞬時に換装させているのだ。
いわば装甲と武装の“早着替え”ともいえる機能である。
そして装甲と武装の転換を終えたエアリオルは、個々の形態に応じて特化した性能を持つ。
逆にいえば、どの形態も何かに特化し過ぎて、どこかしらに穴があり、柔軟性に欠ける部分を持っているのだ。
〔『エアリオル=ゼファー』は、敢えて言うなら【柔軟性特化の汎用機】ってところだね。
 何か突出してすごい部分はないけれど、取り付ける武装次第でいくらでもその性能を変化させることが出来るんだ〕
ゼファーの装甲の“白”とは、何色にも染まらない色であり、同時に【何色にも染まる】ことの出来る色でもある。
この機体の特性を表すには、まさにうってつけの配色なのだ。
〔もっとも『ブラスト』の修復が終わっていれば、そっちで行く予定だったけどね〕
「エアリオル=ブラスト」は近接特化の格闘戦形態であり、機体コンセプトの類似する甲龍(シェンロン)とぶつかるには、最も相性の良い形態でもある。しかし先日の無人機戦で、ブラストは右足に大きなダメージを負ってしまい、結果として今日の鈴との試合にはわずかに間に合わなかった。
そこでこの蒼羽技研主任は、汎用性の高いゼファーに接近戦向けの他形態の武装を搭載し、即興で近接戦用ISに仕立てたというのだ。
「それでは、先ほど修夜さんが呼び出し(コール)したレーザーブレードは……」
〔ブラストが本来脚部に格納している、格闘戦用のブレード「デュアルクロー」だね〕
セシリアの疑問に拓海は明快に答える。
〔ほかにも、今使っているのが『ソニック』の二挺マシンガン「ピアスクロー」。無人機戦でも牽制のために使っていたはずだよ〕
拓海の解説するなかで、修夜と鈴はフィールドの中空を縦横無尽に駆け巡り、銃弾と衝撃砲のエネルギーが空間に断続的な直線を描き続けていた。
よく見れば、修夜が鈴を追いかけ、鈴がそれを牽制しながら突き離しているようにも見える。まるで今の二人の関係そのものだ。
「……なぁ、拓
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