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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第三十一話『雨』
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サーしても働き、修夜の攻撃を牽制したり察知したりしているのだ。
(なら今は、アイツに合わせて剣を振るのみ……!)
壁が邪魔なら、その壁の隙間や薄い場所を突いて崩すしかない。そのためには鈴の剣に合わせて、彼女の太刀筋を見極める必要がある。見極めるならば、相手の攻撃のリズムやパターンを知る必要がある。
距離を取りながらアリーナの中空を周回する中、再度鈴が正面からぶつかってきた。
それに合わせて修夜も鈴へと迫り、両者は八度目の競り合いをはじめる。
鈴は二刀による絶え間ない猛撃で、修夜を激しく攻め立てる。一方の修夜は、実体振動剣の一刀だけで器用に勢いを逃がしながら、鈴の嵐のような攻撃をしのいでみせる。
現状は鈴が完全に攻め手に回り、修夜は防戦一方という状態だ。
「どうしたの、さっさと攻めてきなさいよっ!」
攻撃の手を休めることなく、鈴は修夜に挑発の言葉を浴びせる。
「そういうお前もっ……、二刀流で剣一本に苦戦してんじゃねぇよっ……!」
鈴からの挑発に、修夜もへらず口で応戦しながら攻撃を捌く。
捌いてはいるが、正直そろそろ攻めのきっかけが欲しいのも本音ではある。
そして鈴も、始まって以降のこの膠着状態に不満が募ってきたらしい。
「だったら……、これでどう!?」
「!!」
一声とともに、鈴の攻撃がさらに加速し、剣閃の密度を上げてきた。動きの方も体を前を向けて剣を振るだけでなく、体に回転や捻りを加えることで一撃の威力を底上げし、単調だったリズムに変則性を加えている。
(くそっ、さすがにコイツはまずい……!)
なんとか耐え忍びつつも、さすがの修夜も暴風のような攻撃に本格的に押されはじめる。
攻撃の重さに押され、徐々に腕に疲労がたまり、自分のリズムが微妙に狂っていく。
「でぇいっ!!」
そのわずかな隙をついて、鈴は今までで一番大きな攻撃を振り抜いた。
二刀双閃。平行に並んだ青龍刀が、修夜を真横に薙ぎ払おうとする。
(ここだ!)
これを好機とみて修夜は、敢えてその一撃をまともに防御し、攻撃の反動を利用してそのまま吹き飛ばされることを選んだ。
距離を取って体勢を立て直すために、鈴の一撃をわざと受けたのである。
飛ばされた修夜は、ある程度の間合いが開いたことを察すると、すぐさまスラスターを吹かして体勢を立て直し、鈴に向き直る。
「どう、これで少しは分かったでしょ!」
体勢を直した修夜を睨みつけて、鈴は決然と言い放つ。
自分の実力が修夜の強さに対抗できることを、鈴は修夜に突き付けてみせた気分だった。
「……あぁ、確かにな。代表候補生になっただけあって、半端じゃないのはよく分かった」
実際のところ、修夜も鈴の実力が想定以上に高かったことに、内心驚いていた。
以前戦ったセシリアは、磨き抜かれた繊細かつ大胆な戦法で修夜を翻弄して
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