暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
[8/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
て、拓海の方に顔を向けていた。
それにしても、この二人の“阿吽の呼吸”っていうか、さり気ない察し合いというか、そういうのはいつ見ていてもすごいと思う。まるで双子の兄弟みたいに、ちょっとしゃべっただけで大抵のことは通じてしまう。
同じ釜の飯を食いながら育つと、そのぐらいは当然なのだろうか……?
「どうする、場所を移すか?」
ちょっと腰を浮かして動く体勢になった修夜の提案に対して、拓海の方は――
「いいや、いいよ。ちょっと一夏にもかかわる話だからさ……」
そう言って、部屋の隅にあったパイプ椅子を持ち出して、俺の足の側に座った。
「俺にもかかわる話?」
正直に疑問がわいたので、そのまま拓海に質問してみる。
「まずは、今回の敵についての報告かな……」
今回の敵――、あの無人機たちだ。
それを聞いて、俺も修夜も自然と緊張していた。
「今回の相手は、“新型の量産型ISコア”を搭載した、新技術による【未知の敵】だ」
場の空気が、一瞬、凍り付いた。
「端的にいえば、現状で使用されているどの技術にも当てはまらない、新技術を用いての自立型の外部AIを搭載した“IS操縦用アンドロイド”による、遠隔攻撃。
 つまり、修夜と一夏たちが見たとおりに、【無人の戦闘用ロボット】なんだよ、アレは」
俺たちの予感は的中していた。
「そして目的は……」
ちらりと、拓海が俺の方を見てくる。
それに合わせて、修夜も俺に顔を向ける。
……え?
え、え〜〜っと、これは……。
「……お、俺?」
いやいや、なんでそんな訳わかんないことに?
「……理由は?」
おいおい、俺を置いて話を進めるなよ、修夜。
こっちは何を言われてるのか、まるでわからないんだからな?
「戦闘中の映像と、破損した機体を調査した結果、実弾武器は一切積まれていなかった。正確には、肩の付け根あたりに機関銃が内蔵されていたっぽいけど、敢えて使用してなかったみたいだね」
「……なるほど、つまりハナから『零落白夜』狙いってことか」
そこでなぜか、俺の白式の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)の名前があがった。
「そういうこと。敵は最初から、一夏の白式の性能と『零落白夜』の力をデータ化するために、わざわざこんな大それた方法に打って出たらしい。その辺りについては、観客席等への分厚い防御や、システム奪還に対するやる気のない防御、伏兵の存在、その他もろもろを加味してみたうえで、その可能性が一番“わかりやすい”かったんだ」
相変わらず、言い間違いもなくスラスラと説明をする拓海。
やっぱり、俺たちと同じ歳で社会に出ているヤツは、一味違うもんだ……。
――って、感心している場合じゃない。
なんかとんでもないことを言ったぞ、今?
「え……っと、つまり……単純に、俺と戦いに来たのか、アイツら…
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ