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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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鹿がっ!!」
「一夏……、ウソ……だ……」
「織斑先生、山田先生、セシリアですっ、大至急で救護班をお願いします!!」
「ウソでしょ……何で……!?」
その場が一気に非常事態と化した。
一夏に呼びかけ続ける俺。
突然のことに混乱し、硬直する箒と鈴。
慌ててモニタールームにいる連絡を繋げるセシリア。
当の馬鹿と言えば、その騒動の中で微動だにせず、ぐったりしたままだ。
おい、起きろ馬鹿。
お前はここでくたばる人間じゃないだろ。
自分流で強くなるのはどうした。
千冬さん超えって目標はどうした。
箒と鈴はほったらかしかよ。

アンタは……不滅のヒーローだろ、――!!


「おいっ、いい加減に返事しやがれぇっ!!」




「…………Z z z z z z z z」





…………………………。

を い こ ら ま て や。

「寝てるだけかよっ!?」

その場で心配した全員が、崩れ去るように脱力したのだった。
限界まで飛ばして、今のいまになってそのツケがきたのは分かるが、これはひどい……。
「……一夏の……バカ……!」
「なんというか、とても一夏さんらしいと言いましょうか……」
「バカ、大馬鹿っ、そのままくたばれっ……!」
その場にいる全員が、一瞬でも死ぬほど心配したことを悔いた様子だった。
そんな事とはつゆ知らず、一夏は高いびきをかきながら夢の中である。

それにしても、腹が立つほどすがすがしい寝顔をしてやがる……。

…………。

ま、とりあえずお疲れさん。

――――

不意に目を開けると、そこは知らない天井だった。
俺の体を包む、この気持ちいい感触は……布団?

「よう、目が覚めたか?」
「……修…夜?」

声がした方に顔を向けると、そこには制服姿の修夜がいた。
あれ……俺は確か……。
アリーナで山田先生のアナウンスを聞いて……、ようやく全部片付いたんだなってほっとしたら……、全身の力が抜けて……、気が遠くなって……。
「俺、倒れちまったのか……」
どうやら、俺はあのあと気絶していたらしい。
「一時的な過労だとよ。今日一日ぐらいは、大人しく寝とけとさ」
「過労……」
まだ頭がぼんやりとする。
改めて周囲を見回すと、雰囲気からして、どうやら保健室っぽい場所らしい。
俺の格好はISスーツのままで、白式はガントレットに戻っていた。
そして――
「そういえば、みんなは……?」
やっぱり、これが一番気になった。
「お前が倒れたあとは、俺と師匠でここまでお前を担いで、箒とセシリアと鈴は観客席の誘導にいったよ」
「……そうか」
「箒と鈴が変に張り合ったもんだから、師匠が問答無用で担いできたんだけどな……」
ため息をつきながら
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