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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十九話『台風の目の中で』
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シルフィーが俺に、無人機の状況を報告する。
一機目のゴキブリ並の生命力からすると、ずいぶんあっさりと倒してしまった感がある。
「所用時間は……?」
《九分十二秒、結構ギリギリだったね……》
とりあえず、師匠からの課題はクリアした。
鈴はちゃんと協力したし、制限時間も守った。
これで地獄の修行は、とりあえず避けられたはずだ。……その、はずだ。
「修夜、おつかれ〜」
俺の窮地を、まさかの活躍で救った一夏が、俺の後ろに降りてきた。
「ありがとうな、一夏。あれはマジで助かったよ……」
「水臭いって。大親友がピンチなら、飛んで駆けつけるのが男ってものだろ!」
「…ったく、調子に乗るんじゃねぇぞ?」
俺の謝辞に水臭いと返す一夏に、少し皮肉っぽく返事を返してみる。
一夏があのときに放った一撃。
あれはおそらく、左手の六花(りっか)に『零落白夜(れいらくびゃくや)』をまとわせたものだ。
一応、拓海は六花に雪片二型(ゆきひらにがた)と類似する機構を組み込んだと言っていたから、さっきの一撃もその作用だろう。
一夏がそれを、どれだけ憶えていたかは解らない。
だがあの土壇場で、たとえ無意識で繰り出したのだとしても、一夏にとってこの戦いは、一夏自身を大きくするきっかけとなったに違いない。
今日の予期せぬ事態が、一夏の成長を促進させるカンフル剤になったようだ。
なんと言うか、皮肉な話だな……。
そんな考えを巡らせていると、後ろからスラスターの駆動音が聞こえてきた。
「修夜さん、一夏さん、ご無事ですかっ?!」
「修夜、足は大丈夫か。一夏、どこかぶつけていないか!?」
「あんたたち、ホントに無茶ばっかり……!」
俺と一夏の巻き添えをくわないために、後方に離脱していたセシリア、箒、鈴の三人だ。
言い方は三者三様だが、だいぶ心配をかけちまったらしい。
「大丈夫だ、なんとか無事だよ」
俺はそう答え、三人に向かって笑い返してみせる。
「しかし、お前のそれ。何かすっげーな―、カッコいいよなぁ!」
横から一夏が、俺の右腕の『クラッシュアーム』を見て目を輝かせていた。
「あぁ、コイツは後付装備(イコライザ)の一つで、……まぁ、見た目まんまの武器だ」
後はどう解説すればいいのやら……。
……一夏ならゲームとかで見慣れているから、これで足りるか。
「見たまんまって、あんた……」
「杭打ち機……だな……」
一方の女子の方は、どうやら『クラッシュアーム』をあまり理解ができないらしい。
「パイル……ドライバー……でしたでしょうか……?」
セシリアはどうやら見覚えがあるらしく、心当たりのある名前を出して見てきた。
「正式には“パイルバンカー”だな。爆発で杭を打ちだして、相手を装甲ごと貫く武器だよ」
さらに言えば、輻射波動機構が内蔵
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