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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十八話『鉄鋼砕く風獅子の牙』
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無人機には無謀ともいえる攻撃法だ。
「でも、だからだ。だからこそ、五人全員が揃う必要性がある」
それでも、再び語気を強め、仲間への呼びかけをはじめる修夜。
「……安心しろ、特攻って言っても“神風(かみかぜ)”な訳じゃないし。
 それに、この攻撃でヤツが倒れなくても、『ブラスト』には強力な武器が多い。みんなと連携が取れれば、絶対に倒せるさ……!」
再び修夜は、その顔に強気な笑みを浮かべた。
「……ったく、そうやっていつも無茶ばっかり……」
不意に、鈴がぼそりと何かを呟いた。
「どうかしたか、鈴?」
「な……、何でもないわよ、馬鹿っ!!」
一夏がそれに気がついて質問するも、鈴は何事もなかったかのようにごまかした。
「なら、せめてもっと、具体的な戦法を考えるべきだ……!」
修夜の言葉に対し、箒はより確かな勝ち方の模索を提唱する。
「“具体的”って、何か見当でもあるの……!?」
鈴の指摘に、箒は思わず言葉を詰まらせてしまう。
それでも言い出した手前、なんとか無い知恵を絞ろうと、必死に思考を巡らせる。
「……そうだ、フェンス際まで追い込んでしまえば……!」
箒は、最初にセシリアと協力して大打撃を与えた、その瞬間を思い出した。
「箒さん、それって……!」
「あぁ、最初のときに成功させた戦法だ。この人数なら、もっと効果的に使える……!」
それは、セシリアがBカタパルトの下まで無人機を追い詰め、封殺したうえで箒の大太刀での一線を決めた簡易的な包囲作戦。箒とセシリアは、そのいきさつを他の三人に伝えてみることにした。
「たしかに、二人で成功している以上、この人数で成功しない方がおかしいかもな……」
「二人とも、よくあの真っ黒野郎に一発かましたなぁ……」
「アンタたち、よくよく無茶してるわねぇ……」
感想は三者三様だがは、同時に三人は、心中で何かが燻るのを感じた。
「……どう、だ……?」
恐るおそる、箒は三人の意見をうかがった。
「……多分、現状でこれが一番の上策だろうな。俺は、これに乗るぜ」
箒の案に乗ることを、修夜は迷い無く決した。
「修夜がオーケーなら、俺も賛成だな!」
一夏もあっさりと案に乗ってきた。
「……もう、こんなの、反対のしようが無いじゃない……」
鈴も、あくまでしぶしぶ付き合うといった態度で、この作戦に賛同した。
その反応に、箒は安堵と感謝の笑みを浮かべ、三人に謝辞を述べた。
「陣形は、わたくしは一度目と同じく上から。箒さんと凰さんは、左右からの挟撃。
 そしてこの包囲網の外から、一夏さん、修夜さんの順で突撃する……。
 これで、よろしいですわね?」
セシリアの即興の立案に対し、全員が無言で首を縦に振る。
その次の瞬間だった。

――がしゃぁあん ごん ごん ぐぁん……!


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