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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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》に怯えておる”……!!」
蛇髪の女怪(ゴルゴーン)の眼の如く、鈴を縛り上げる白夜の金色。
無抵抗のその少女に、容赦のない“言の葉の槍”が急所に突きたてられる。
それに対して、鈴は怯えながらも唇を切りそうなほどに強く結んで噛み、気丈に耐えてみせる。
「もういいだろう、師匠。鈴への説教なら、あとでも出来る……!」
険悪になっていく雰囲気に耐えかねてか、修夜が白夜を引きとめに入る。
修夜の制止を聞くと、白夜も鼻から息を抜いて、鈴から視線を外して腕を組み、他の三人のいる方へと向き直った。
それを見て修夜も一息つくと、単刀直入に質問をぶつける。
「――で、質問。【屋根の上からお前たちの戦い見ていた】って、どういうことだよ……?」
何気なく鈴への問いかけの中で聞こえた、白夜の不穏な一言を、修夜は聞き逃さなかった。
「あぁ、そのまんまの意味じゃよ。向こうの屋根の上から、見物しておったんじゃ」
言って白夜は、観客席を覆っている、耐衝撃用シェルターと兼用のアリーナの屋根を指さす。
「ちょっと待て……いや、師匠ならそのぐらいは屁でもないか……」
「どうした?」
「いいえ、遮断シールドなんて、師匠にしてみれば扉の開いた玄関に等しいかな、と……」
何の気なしに白夜は話しているが、現在、このアリーナには外から侵入するすべが見当たっていない。入口ゲートは固く閉ざされ、立ち入りは不可能。空中も遮断シールドがレベル4で設定され、バトルフィールド内には、空中からも小蠅一匹出入りできない。
白夜がこの場に立っていること自体、実際にはあり得ないことなのだ。
「あぁ、あの結界のようなものか。あんなもの、店先の暖簾(のれん)のようなもんじゃろう」
ひょうひょうと言い切る白夜を見るにつけ、一同はつっこむ気力すら失せてしまった。
「……さて、それよりも修夜よ」
一同の様子も素知らぬ顔で、白夜は修夜に声をかける。

「どうやら、次の客人のお出ましの様じゃぞ……?」

その一言を待っていたように、アリーナの遮断シールドの状面から、静電気がはじけるような音が聞こえてきた。
見ると、空中から遮断シールドをやすやすとすり抜けて、周囲の風景に擬態した透明な影が、空から降りてくる。
その影は、アリーナのフィールドから少し浮いた位置で停止し、自身に施していた光化学迷彩を解除して、修夜たちの眼前に現れた。
「なっ……」
「うそ……だろ……」
「何の冗談だよ、こいつは……!?」
全員が悪い夢でも見ているかのように、一瞬にして顔を青ざめさせた。
「コイツらは……!?」

そこに現れたのは、【先ほど倒したはずの無人機とまったく同じIS操縦者】だった。
しかも今度は、【二人】。

その姿を見た観客たちは、それまで弛緩していた危機感は再び刺激され、またし
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