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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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いよ、何のよその態度!?」
「いや、大陸に帰ったと覚えていたんじゃが、あっさり出戻ってきおったなぁ、っと……」
「で……出戻りっ……?!」
「なんじゃ、違うのか?」
先ほどの無邪気な様子から一転、白夜の態度は随分と冷めたものだった。
「こう見えても、今のアタシは中国の代表候補生なのよっ!?」
「……で?」
「えっ……」
「だから、それがどうしたというのじゃ。代表候補とやらなら、そこのセシリアという娘もそうであろう。お前さんは何か特別なのじゃ?」
言われて、鈴はますます顔を険しくしていく。
かたや、白夜はそんな鈴を見て、呆れたように冷ややかな溜息をついた。
「あたしはね……、中華人民共和国・十数億人の中の、選ばれた人間なのよ。そこら辺の、おままごとみたいな試験で上がってきたようなのと、一緒にしてんじゃないわよっ!!」
威勢良く啖呵を切った鈴。
それを変わらず、冷淡に見つめる白夜。
小さな沈黙が、五人のいる場所を占めていく。
ピリピリとした空気が、二人のあいだに広がっていく。……が――
「ぷふっ」
白夜は、呵々大笑(かかたいしょう)した。
噴き出したかと思うと、(せき)を切ったように、見ていて不気味なほどに、大笑いした。
修夜たちが困惑するなか、ただ鈴だけが、その行動に怒りを加速させていた。
「……何がそんなにおかしいのよ、若作りババァっ!!」
鈴はその笑い声に負けない大声で、白夜に暴言を吐き捨て、叩き付ける。
するとわずかな引き笑いのあと、白夜はゆっくりと言葉を発しはじめる。
「おかしい……、おかしいのも飯事(ままごと)に興じていおるのも、全部貴様ではないか。
 のぅ、凰鈴音?」
白夜が向けた笑顔に、鈴は言いようのない恐怖を感じた。
殺人鬼が、獲物を見つけてそれに笑いかけている。そんな身の毛のよだつ笑顔。
「少しばかり、屋根の上からお前たちの戦い方を、見物させてもらったぞ。
 色々とひどい戦い方だった。ここであげつらえていれば、日が暮れてしまうほどにな。
 なかでも鈴、貴様の戦い方はなんだ。あの腑抜けた、やる気のない戦い方はなんだ。ひどいという以前に、もはや論外だ。よくそんな腑抜けで国を背負っているだの、選民思想だのに酔えるもの……いや、酔った“演技”が出来たものだな?」
不気味な笑みのまま、白夜は鈴の瞳から心を覗き見るように、彼女に目を合わせる。
視線を逸らしたくても、金色の魔の視線は鈴の姿を不可思議な力で引き付け、縛り上げる。
「はっきり言ってやろう、貴様には“覚悟”というものが無い。
 己が魂に聞かせ、殉ずるに値するものが、砂の一粒ほどにもな。
 まるで夜の暗闇を恐れ、一人で喚きながら棒切れを振りまわす幼児(おさなご)そのもの。
 貴様はそう、“この世界という|無明《むみょう
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